タイトル |
セルトレイ苗補填装置 |
担当機関 |
生物系特定産業技術研究推進機構 |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
野菜の接ぎ木や機械移植作業に対応した育苗において、セルトレイ上の生育不良苗を検出して健全苗を補填する果菜類用と葉菜類用のセルトレイ苗補填装置で、欠株や不良苗の90%以上を良苗で補填できる。
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背景・ねらい |
野菜等の苗作りにおいては、土詰め・播種・出芽・育苗の機械化が進み、各地でセル成型苗の大量育苗が行われるようになった。そして、最近では接ぎ木装置や全自動移植機の普及に至っているところである。このような背景のもと、より高性能な作業を行うには、セルトレイ上の成型苗の苗立ち率100%を得る技術の要望が生じている。
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成果の内容・特徴 |
- 果菜類用と葉菜類用のセルトレイ苗補填装置2機種を開発した。対象苗は、根鉢形成のできた接ぎ木直前または移植前の苗で、果菜類ではトマト、ナス等の苗(穂木、台木)、葉菜類ではキャベツ、レタス等の苗、その他に花等の苗で、育苗トレイは標準トレイ(セル数:128穴/トレイ)を対象としている。
- 果菜類用は、全苗をトレイから取り出し、2台のCCDカメラ等で画像処理して、全自動接ぎ木ロボットによる接ぎ木苗として適合した良苗と不良苗を判別し、良苗のみを別の空トレイに移し換える方式である(図1)。判別項目は、苗の有無・子葉高さ・胚軸径・胚軸倒れ・播種位置などである。
- 葉菜類用は、セルトレイ上で光電センサにより苗を検出する機構、欠株位置で空気吸引により培土を除去する機構、隣接苗干渉防止機構、補填ハンドにより健全苗を補填する機構からなる方式である(図2)。
- 両機種の作業能率試験において、欠株や不良苗率が1トレイ当たり30%程度の場合、2000株/h以上の処理速度となり、総じて、欠株や不良苗の90%以上の良苗補填性能が得られ(表1、表2)、補填処理したセル成型苗トレイを供試し、全自動接ぎ木ロボットの接ぎ木成功率の向上と、全自動移植機による欠株のほとんどない移植作業を確認している。
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成果の活用面・留意点 |
- 補植作業の労力低減、全自動接ぎ木ロボットの有効利用、野菜全自動移植機の有効利用、ハウス等での育苗面積の低減等の効果がある。
- 著しい徒長苗とならない育苗管理が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
育苗
画像処理
機械化
キャベツ
台木
接ぎ木
トマト
なす
播種
レタス
ロボット
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