いちご移植機

タイトル いちご移植機
担当機関 生物系特定産業技術研究推進機構
研究期間 1996~1997
研究担当者 金光幹雄
太田智彦
諏澤健三
ヤンマー農機(株)
石川島芝浦機械(株)
発行年度 1998
要約 施設内ほ場において、花房の発生方向が揃うように、いちご苗を適切な向きで、斜め植えができる歩行型1条用半自動移植機である。対象移植苗は、セルトレイと小型ポットで育苗した苗である。
キーワード イチゴ苗、適切な向き、斜め植え、歩行型1条用半自動移植機、セル トレイ、小型ポット
背景・ねらい いちごの総労働時間は1800h/10a程度であり、定植作業は110h/10a程度と多くの時間を要している。慣行のいちご定植作業は、苗運搬用台車等が利用されている程度で、植付けは手作業で腰を折り曲げた状態で行われており、省力化が望まれている。なお、いちごの定植は、収穫作業を能率的に行えるよう花房の発生方向を揃え果実が畝溝方向又は畝中央方向に揃うように、親株側のランナーの向きを花房の発生する側の反対に揃え、しかも一定方向に傾けて植え付けが行われている(図1-a)。一方、育苗と、定植の労力節減をねらいとして、セルトレイ又は小型ポットを利用した育苗が普及し始めている。そこで、定植作業の省力化を目的として、セルトレイ又は小型ポットで育苗された苗を対象として、苗の向きを揃えて斜め植えできる半自動移植機を開発した。
成果の内容・特徴
  1. 開発したいちご移植機は、1.6kWエンジンを搭載した2輪駆動4輪式で、苗の供給を人手で行う歩行型半自動移植機である(図2、図3、表1)。1条植で往復作業により1畝2条を植え付ける。
  2. 植付けは、歯車列によるクランク機構で駆動される開孔器で行い、垂直面から畝溝方向に20°傾けて植付けが行える外なり栽培用と、垂直面から畝中央方向に20°傾けて植付けが行える内なり栽培用の2型式を選択することができる。
  3. 移植対象苗は、セルトレイと小型ポットで育苗した苗であり、セルトレイの場合は、根鉢に花房の発生する向きを示す突起を設けることができる(表2)。
  4. セルトレイで育苗した品種「女峰」と「とちおとめ」、及び小型ポットで育苗した品種「とよのか」を供試した場合の作業能率(ほ場作業量)は1.2-1.3a/時で、圃場作業効率は約60%、欠株率は約3%である。移植後の生育、及び果房の畝溝方向への発生割合は93%以上で、ともに手植えと同程度である(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 平成11年度に高性能農業機械実用化促進事業に移行し、市販化の予定である。
  2. 適応する栽培様式は、畝幅110~120cm、畝高さ30~40cm、条間25~30cmの1畝2条外なり栽培、又は畝幅115~125cm、畝高さ15~25cm、条間25~30cmの内なり栽培である。
  3. いちご苗は、草丈20cm以下、葉数5枚以下で、育苗容器から取り出す際に根鉢が崩れないように育苗管理する必要がある。
図表1 224259-1.gif
図表2 224259-10.png
図表3 224259-2.gif
図表4 224259-3.gif
図表5 224259-4.gif
図表6 224259-5.png
図表7 224259-6.png
図表8 224259-7.png
図表9 224259-8.png
図表10 224259-9.png
カテゴリ 育苗 いちご 栽培技術 市販化 省力化 品種

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