自走式だいこん収穫機

タイトル 自走式だいこん収穫機
担当機関 生物系特定産業技術研究推進機構
研究期間 1996~1997
研究担当者 金光幹雄
太田智彦
諏澤健三
(株)ササキコーポレーション
(株)クボタ
発行年度 1998
要約 だいこんを引き抜き、根部から一定の長さで葉を自動切断し、コンテナ又はフレコンに収容し、運搬ができる自走式の乗用型一斉収穫機である。必要作業人員は、オペレータ1人とコンテナ収容補助作業者1~2人であり、コンテナのハンドリングはクレーンで容易に行うことができる。
背景・ねらい だいこん栽培の総労働時間は140h/10a程度であり、特に収穫・調製作業は60h/10a程度と多く、全作業の45%程度を占めている。 だいこんの収量は約6t/10aと多量であり、腰を折り曲げて引き抜き、葉切りをして、運搬する作業は重労働であり省力化が望まれている。このため、だいこんを引き抜いて列に並べて置くトラクタ装着用作業機が加工用だいこんを対象に普及している他、最近、だいこんを引き抜き、機上まで搬送し、作業者が位置合わせをして葉切りをし、コンテナ等に収容する収穫機が市販され始めた。しかし、葉切りのための位置合わせに手間を要すため、さらに省力的な収穫機の開発が要望されている。そこで、根部から一定の長さで葉を自動切断できる乗用型収穫機を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 開発機は青首だいこんを対象とした1条用乗用一斉収穫機で、走行部はゴムクローラで、無段変速、車体水平制御機構を備えている(図1、図2、表1)。だいこんを引き抜き、一定位置で葉を切断し荷台まで自動的に搬送し、人力でコンテナ又はフレコンに収容する。補助作業者は1~2人でコンテナ容量は300~400kgである。また、収穫機に備えているクレーンでコンテナの積込みと荷降ろしを行うことができる。
  2. だいこんを抜きやすくするために周辺の土壌を破砕する振動刃を備えており多様な土壌条件に対応できる。また、マルチカッタを備えているためマルチ栽培にも対応できる。
  3. 収穫機の作業速度は、コンテナにだいこんを積込む補助作業者の処理能力で規制され、補助作業者が1人の場合は0.7本/s(0.16~0.20m/s)程度、2人の場合は1本/s(0.25~0.30m/s)程度である。作業能率は、コンテナのハンドリングをクレーンで行う場合、オペレータ1人、補助作業者1人の2人組作業の場合2.1~2.9a/時、補助作業者2人の3人組作業の場合2.1~3.7a/時である(表2)。
  4. 正常に生育しただいこんの抜き残しはなく、葉の切断長もほぼ均一で、その切残しも僅かである。また、軽微な擦り傷が発生する場合があるが市場出荷に問題はない。
成果の活用面・留意点
  1. 平成10年度に高性能農業機械実用化促進事業に移行し、平成10年に市販化された。
  2. 畝高さ25cm以下、条間30cm以上、株間25cm以上の栽培様式の青首だいこんに対応できる。
  3. 地上部の根長が斉一になるような栽培管理が重要である。
図表1 224265-1.gif
図表2 224265-2.gif
図表3 224265-3.gif
図表4 224265-4.gif
カテゴリ 加工 栽培技術 市販化 収穫機 出荷調整 省力化 だいこん

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