タイトル |
耕うんロボット |
担当機関 |
生物系特定産業技術研究推進機構 |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1998 |
要約 |
圃場内の自己位置や進行方向を認識する航法装置として、GPS方式や光学測量装置方式などの3方式が利用可能で、圃場全面の無人耕うん整地を有人の場合と同程度の作業能率で行うことのできるトラクタベースの作業車。
|
背景・ねらい |
車両に乗ることなく、かつ遠隔操縦のように作業者が拘束されることなく、安全で快適な作業ができるように、あるいはロボットに無人作業を行わせながら他の有人作業を行って作業者一人の作業能率を飛躍的に向上させることなどを目的に、無人耕うん整地を有人作業と同程度の能率、精度で行うことのできる作業車を開発する。
|
成果の内容・特徴 |
- 航法装置は、オフザワイヤ型電磁誘導方式(LNAV)、GPS方式(SNAV)、光学測量装置方式(XNAV)の3種類を開発し、位置認識誤差はほぼ±5cm以下である。
- 車両は 23.5kWの4WDトラクタで、操舵機構、シャトル変速、作業機昇降機構、左右ブレーキ、スロットル、機関燃料カットを自動制御できる(ROBOTRA:図1)。
- ROBOTRAの計測・制御ブロック図を図2に示す。メインコントローラにはファクトリーコンピュータを防振・防水・防塵対策を施して使用している。
- 無人作業を実行する作業ソフトは、慣行の有人作業に準じて、圃場の中央付近を往復作業し、次いで枕地を含めた圃場周辺部を周り作業するよう構成した。また、信頼性の高い無人作業を行えるように、作業ソフトに自己診断、異常時対応機能を組み込んだ。
- 安全装備として、接触時及び遠隔操作により非常停止する機構を装備している。
- ほぼ水平で区画整備された数ha程度までの矩形圃場において、圃場全面の無人ロータリ耕うん作業を、有人の場合と同程度の作業能率(20~25a/h)で行うことができ、作業者が初期設定等で拘束される時間は数分である。直進性等の作業精度は有人作業を上まわる作業が可能である。無人作業は1m/s程度までの作業速度で可能である。
無人作業の軌跡例を図3に、圃場試験結果例を表に示す。
|
成果の活用面・留意点 |
- トラクタ作業の完全無人化をはかることができる。
- 実用化には適正な価格、コストを明確にする必要がある。また、ロボットを導入した作業体系、運用方法などの利用技術の確立や、他の作業への展開を図る必要がある。
|
図表1 |
|
図表2 |
|
図表3 |
|
図表4 |
|
カテゴリ |
遠隔操作
コスト
GPS
自動制御
ロボット
|