タイトル |
ウリ科野菜用整列播種装置 |
担当機関 |
生物系特定産業技術研究推進機構 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
背景・ねらい |
ウリ科野菜の育苗では、発芽後の子葉の重なりを避けるために整列播種が推奨されている。さらに、セル成型トレイを利用して居接ぎを行う作業や全自動接ぎ木装置による接ぎ木作業では、子葉展開方向が揃ってかつセル内での発芽位置のばらつきが少ない苗を用いることで、作業能率および作業精度の向上が期待できる。そこで、種子の整列だけでなく、胚の方向まで揃えて播種する装置を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 開発した装置の概要を図1に示す。本装置は、供給部、搬送・判別部、播種部、育苗トレイ搬送部、制御部、動力部より構成される。搬送・判別部に1粒ずつ供給された種子はコンベヤにより搬送され、位相修正機構により種子の長軸方向がコンベヤ進行方向に揃えられる。この後、胚位置判別が行われ、播種部で正しい方向に揃えられて育苗トレイの所定位置に播種される。
- 搬送・判別部にある種子胚位置判別システムは、CCDカメラ、コントローラ、照明装置及びトリガセンサで構成される。種子胚位置の判別原理は、図2に示したように種子の全長に対して、種子の両端からそれぞれ一定距離離れた位置までの面積を測定・比較し、小さい方を胚側と判別するものである。また、種子の全面積を測定し、測定値が設定範囲外のものは規格外として播種しない機能も持っている。
- 片葉切断接ぎ方式の接ぎ木装置では、台木の子葉展開方向が設定角度の±30゜以内にあれば残すべき台木の子葉に損傷を与えることなく切断できることから、それを指標とすると、キュウリの台木となるカボチャ2品種とスイカの台木となるユウガオの種子では、95%以上を設定に対する位相のずれ±30゜以内に納めることができる。また、胚位置判別精度は、いずれの種子でも95%以上である。総合的な整列播種精度(播種位相ずれが±30゜以内で、かつ正しく胚位置が判別された種子の割合)は、カボチャで95%以上、ユウガオで90%以上であり、毎時1000粒以上の播種が可能である(表1、表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 胚位置判別手法は、整列播種装置の基本技術として利用できる。
- 実用化に際しては、作業能率及び種子供給部の改良や播種時の種子位相と発芽後の子葉展開方向のずれを小さくする播種条件について検討する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
育苗
かぼちゃ
きゅうり
すいか
台木
接ぎ木
播種
品種
ゆうがお
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