タイトル |
長大型作物細断収穫用ロールベーラ |
担当機関 |
生物系特定産業技術研究推進機構 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
フォレージハーベスタで細断された青刈りトウモロコシ等の長大型作物を荷受けし、ロール状に成形、梱包することのできるロールベーラ。ベーラ成形室の呼び直径は90cm(定径式)で、トラクタでけん引して作業を行う。
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背景・ねらい |
青刈りトウモロコシの飼料価値の高さは十分認識されているが、その作付面積は昭和62年を境に減少に転じている。この理由の一つとして、収穫作業が炎天下で行われることが多く、労働強度が大きいことが挙げられる。そこで、収穫作業の省力化と軽労化並びに高品質貯蔵・調製をねらいに、フォレージハーベスタで細断された青刈りトウモロコシ等の長大型作物に対応できるロールベーラを開発した。
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成果の内容・特徴 |
- 本ベーラは、ピックアップ装置に代えて機体前部に供給コンベヤとホッパを設けており、フォレージハーベスタで細断、吹き上げたトウモロコシ等をホッパで受ける。吹き込まれた材料は、供給コンベヤで成形室(定径式、呼び直径90cm)に送り込まれ、成形、梱包される。成形室は、バーチェーン式成形方式のタイトバーにベルトを取り付けて構成しており、ベールの梱包はネット(幅1.2m)の巻付けにより行う(図1)。
- 本ベーラでは、材料を供給しやすくするためベーラ本体をやや上方に向けた状態で収穫作業を行う(図2)。ネットの巻付けが終了すると、油圧シリンダを操作してベーラ本体を水平状態にし、リヤゲートを開いてベールを排出する。
- ベーラの所要動力は、作業速度が速くなり処理量が増加するにつれて増える。K社製の1条刈コーンハーベスタの後方に本ベーラをけん引して収穫作業を行った結果、走行速度0.6m/s(毎時乾物処理量2.6t/h)の時で約15kWの所要動力であった(図3)。
- ハーベスタにより切断長15mm(設定)で細断したトウモロコシも問題なく梱包、成形できた。また、本ベーラで梱包したベールはベールラッパによる密封も可能であった。なお、ベールの梱包からラッピング完了までに生じるロスは5~10%であった。
- 本ベーラで梱包したベールの湿潤密度は約400~700kg/m3(含水率56~78%)で(図4)、ベール1個の質量は含水率65~70%の時で320~380kgであった。
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成果の活用面・留意点 |
- 青刈りトウモロコシの省力的収穫体系に有効な機械としての活用が期待できる。
- 実用化のためには、ロスの減少、操作性及び作業性の向上等を図る必要がある。また、牧草への適応性についても検討することが望ましい。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
軽労化
省力化
とうもろこし
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