タイトル |
GISデータ作成支援のための地図画像処理プログラム |
担当機関 |
中国農業試験場 |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1998 |
要約 |
GISで利用できる微細メッシュ標高データの作成を目的として、ラスター処理とベクトル処理の2種類の異なる手法を組み合わせることにより、等高線画像の修正を省力化する地図画像処理プログラムを開発した。
|
背景・ねらい |
現在、土地利用計画を支援する有用なツールとして、GIS(地理情報システム)が注目されている。そこで、生産現場での土地利用計画の支援等を目的とし、GISの基本データとして利用できる微細メッシュ標高データの作成を試みた。 中山間地域では、原図となる地図画像において、隣接する等高線同士の接触や断線が多く見られ(図1)、そのままではメッシュ標高データへの変換時にエラーが生じる。その修正作業には多大な時間と労力を要することから、作業の省力化を図るための地図画像画像処理プログラムを開発した。
|
成果の内容・特徴 |
- 本プログラムは、地図画像の等高線処理のため、接触箇所について、地図画像(ラスターデータ)を直接処理するプログラムと、画像段階で処理しきれない箇所を線情報(ベクトルデータ)に変換した後に修正するプログラムの、手法の異なる2種類のプログラムで構成され、Windows95/98上で動作する。
- ラスター処理では、フィルタリング手法により処理を行う。この処理は等高線の接触箇所を検索するためのパターンとその修正のための置換パターンをあらかじめ作成し、画像ファイルを順次読み取って、検索パターンとの間で局所的なマッチング(照合)処理を繰り返して、修正を行う(図2)。
- ベクトル処理では、ベクトルデータが結合した場合は共通のx、y座標を線の両端(ノード)に持つことを利用し、ノードを共有するベクトル数(ノード接続数)によって、接触・結合したベクトルを検索し、修正を行う(図3、図4)。
- ラスター処理とベクトル処理プログラムを組み合わせることにより、未処理の場合に30,000~46,000箇所生じる断線・接触箇所の84~90%が修正され、特に接触箇所に限ると96~98%の修正を行うことができ、等高線データの作成作業の効率化が図れる(表1)。
|
成果の活用面・留意点 |
- ラスター・ベクトル変換は市販ソフトの使用を前提としている。
- 本プログラムでは断崖記号の処理には対応していないため、実行前に手作業で消去するのが効率的である。
|
図表1 |
|
図表2 |
|
図表3 |
|
図表4 |
|
図表5 |
|
カテゴリ |
画像処理
省力化
中山間地域
|