タイトル |
根こぶ病抵抗性等が異なるはくさい品種の根系比較 |
担当機関 |
長野県中信農業試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
根こぶ病抵抗性や芯腐れ症耐性の異なるはくさい5品種を圃場で栽培し、それらの特性と根の長さ、太さ、分布との間の関連性を調べたが、関連性はなかった。品種の違いよりも土壌硬度などの栽培条件の違いが、根の長さ、太さを大きく変化させた。
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背景・ねらい |
はくさいは、品種によって根こぶ病抵抗性や芯腐れ症耐性が大きく異なっている。その要因の一つとして、根の特性があげられているが、それらを定量的に調べた例はほとんどない。そこで、長野県で栽培されている、抵抗性等が異なる5品種を、夏秋2回、栽培法を変えて2年間栽培し、根の特性の内、長さ、太さ、分布とそれらの間に関連があるかどうかを調査した。
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成果の内容・特徴 |
- 根長・根の分布:収穫時の1株あたりの根長は、各栽培によって大きく異なり、平成10年夏どり移植栽培の1424mから平成11年夏どり移植栽培の5053mまで3倍以上の開きがあった(表1)。各栽培の中では、若干の品種間差がみられたが、根こぶ病抵抗性や芯腐れ症耐性との関連性は見られなかった(図1)。また、各土層別の根の分布についても、品種間ではっきりとした差はみられなかった(データは省略)。
- 比根長・根の太さ: 平成10年夏どり移植栽培では、収穫時の比根長は平均で397m/gであったのに対し、他の3つの栽培では、1098-1246m/gであり約3倍の開きがあった。また、根の直径もそれに対応して131μmと77-94μmと、大きな差がみられた(表1)。根長と同様、比根長においても、各栽培の中で若干の品種間差がみられたが、抵抗性等との関連性は見られなかった(図2)。
- 栽培条件: 平成11年の夏どり移植区を基準とすると、平成10年夏どり移植区で大幅に根長が短くなったのは、比根長が大きく低下した(根が太くなった)ためで、これは、使用した圃場の土が硬かったことが原因と思われる(土壌硬度で22mm、表1)。平成10年の秋どり直播区で根長が減少したのは、地上部の生育が悪く、根重も少なかったためである。平成11年の秋どり直播区で根長がやや減少したのは、原因は不明だが、細根の量が少なくなったためである(表1)。ハクサイでは、根重は地上部重の約3%で一定しているが、環境条件によって、根の太さや細根の量が変動し、根長も変化することが明らかになった。
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成果の活用面・留意点 |
- 根長は、深さ40cmまでの値であるが、全根長の約80~90%が含まれることが明らかになっている(表層腐植質黒ボク土壌の場合)。ただし、根長に根毛の長さは含まれていない。
- 根の特性の品種間差を評価するには、土壌硬度を厳密に同じにして調査する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
肥料
栽培条件
抵抗性
はくさい
品種
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