タイトル |
乗用型の高精度水田用除草機 |
担当機関 |
生物系特定産業技術研究推進機構 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
背景・ねらい |
近年、消費者ニーズの多様化・省農薬指向・環境への負荷低減などから除草剤を使用しない水稲栽培が要望されている。現在利用されている除草法には、歩行型除草機による機械的除草やアイガモ・鯉などを利用した生物的除草及び紙マルチによる物理的除草などがある。機械的除草は歩行作業であるため、低能率で過酷な労働となっており、さらに、株間の除草ができないことも大きな問題となっている。これらの問題を解決するため、高能率で、条間、株間ともに除草可能な乗用型除草機を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 開発した除草機は、回転・揺動式と揺動式の2方式である。回転・揺動式除草機(図1)は、条間を回転ロータによって除草し、株間を揺動するレーキで除草する方式であり、揺動式除草機(図2)は、条間、株間ともに揺動レーキで除草する方式である(表1)。
- 回転・揺動式は、揺動式に比べて構造がやや複雑であるが、条間除草効果が高く、揺動式除草機は、構造が単純であるが、回転・揺動式に比べ除草効果がやや低い(表2)。
- 直進部の欠株、傾斜苗、損傷苗等は、作業直後に若干発生するが、その後の生育に大きな問題は無く、収量への影響は認められない。
- 圃場作業量は、8条用の回転・揺動式が作業速度0.49m/sで約33a/h、8条用の揺動式では作業速度0.27m/sで約20a/hであり、前者が3条用歩行型の圃場作業量の約5倍、後者が約3倍であったことから、歩行型に比べ、作業能率が大幅に改善できる。また、乗用型であるため軽労化と省力化が達成できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 開発促進評価試験を経て、実用化する。
- 除草作業は稲活着直後に1回目を行い、雑草の発生状況を見ながら7~10日程度の間隔でさらに2回程度行う。なお、田植時と同一の条数(6又は8条)で作業する。
- 田植時に隣接する行程の間隔が極端に狭くならないように留意する。
- 耕起法などの耕種的除草方法と組み合わせて使用するとより効果的である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
軽労化
雑草
省力化
除草
除草機
除草剤
水田
農薬
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