グリコアルカロイドのバイオアッセイ

タイトル グリコアルカロイドのバイオアッセイ
研究期間 1995~1995
研究担当者 一色賢司
浅野正博
小塚大生
発行年度 1995
要約 遺伝子組換えによるトマト等の成分変化を検定する手法の開発の一環として細胞毒性を指標としてトマチン等のグリコアルカロイドの生物検定法を設定した。
背景・ねらい  トマトには、トマチンに代表される有毒なグリコアルカロイド(GA)が含ま
れており、遺伝子組換え操作等によりGAの含量が変化する可能性がある。GAの変
動のアセスメント手法を開発することを目的とし、GAの細胞毒性を指標とするバ
イオアッセイの検討を行った。
成果の内容・特徴
  1.  培養動物細胞を用いてトマチンを細胞毒性として、以下の方法で検出するこ
    とが可能であった。アラマーブル-蛍光法、MTT色素還元法、ビタミンK3投与
    化学発光法、WST色素還元法。
  2.  ビタミンK3投与化学発光法( 図1 )は、トマチンとともに細胞を1時間培養し、その後15分の測定操作で測定
    が終了した。他の方法に比べ感度も高く、投与量と生存率の直線的な比例関係を
    示す範囲が広かった。
  3.  培養細胞の中ではHepG2が、トマチンの検出および定量には適していた。
  4.  トマトの1%酢酸抽出液をSepPak C-18カートリッジで処理することにより
    、細胞に投与可能な試験液が得られた( 図2)。
  5.  タバコモザイクウイルス病の抵抗性を付与した組換え体トマトと非組換え体
    トマト果実間のトマチン含量の差は見られず、畑の違いによる差も観察されなか
    った。平成6および7年度のいずれの実験ともに組換え操作によるトマチン含量
    の変動は観察されなかった( 表1 )。
  6.  バイオアッセイ用の試験液を以下の条件下で高速液体クロマトグラフィーを
    行うことも可能であることが判明した。分析カラム;日本分光製Finepack SIL-NH2
    (4.6×250㎜)、移動層;アセトニトエイル:0.02Mリン酸ニカリウム=3: 1、流速;1.0ml/min、測定波長;205nm
成果の活用面・留意点 トマト果実の成熟に従いトマチン含量は変化する。サンプリング後は、凍結保
存する必要がある。また、標準品としてのトマチンはメーカーによって純度が異
なることにも注意が必要である。培養動物細胞を用いるバイオアッセイ法は、無
菌室等の設備や無菌操作等の習熟が必要である。一般的には、高速液体クロマロ
グラフを用いる分析評価法から取り組む方が成功率が高いと推察される。
図表1 224433-1.gif
図表2 224433-2.gif
図表3 224433-3.gif
カテゴリ 生物検定法 抵抗性 トマト 評価法

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