タイトル | 原産地の異なるブロッコリーにおける無機元素組成の違い |
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研究期間 | 2002~2004 |
研究担当者 |
辻 顕光 |
発行年度 | 2004 |
要約 | ブロッコリー中のナトリウム、ストロンチウム含有量は輸入品(米国および中国産) に多く、国産品に少ない。逆にバリウム含有量は輸入品に少なく国産品に多い。これら三元素のクラスター分析によりブロッコリーの輸入品と国産品が分離する。 |
キーワード | ブロッコリー、原産地判別、ICP発光分析、ナトリウム、ストロンチウム、バリウム |
背景・ねらい | 近年、ネギやブロッコリーなどの生鮮野菜の輸入が急増している。これらは原産地表示されて販売 されているものの、相次ぐ農産物の偽装表示事件あるいは輸入野菜の残留農薬問題などにより、消費 者の不安はますます高まっている。このような不安を除き、正しい表示に基づいた健全な野菜流通を 確保するため、偽装表示の抑止力と成り得る原産地判別技術の開発が望まれている。そこでICP発 光分析法を用いて国内外のブロッコリーの無機元素組成の違いを明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1.ブロッコリーの分析部位としては扱い易さ、分析精度などの面から主軸部が適当である。 2.ブロッコリーを同一圃場で栽培した場合、品種間や作型により元素組成に若干の差異が見ら れるが、その幅は大きくなく変動係数にして20~30%程度である(表1)。 3.ブロッコリー中のナトリウム、ストロンチウム含有量は輸入品(米国および中国産)に多く、 国産品に少ない。逆にバリウム含有量は輸入品に少なく国産品に多い(表2)。 4.バリウム含有量とストロンチウム含有量を縦・横軸にとってプロットすると、国産品と外国 産品を良く分離できる(図1)。また、ナトリウム、バリウム、ストロンチウム含有量を用 いたクラスター分析(ウォード法)により国産品と外国産品が分離する(図2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1.日本に輸入されるブロッコリーは中国産と米国産とで98%以上を占める(H15年植物検疫 統計)。 |
カテゴリ | 病害虫 植物検疫 ねぎ 農薬 品種 ブロッコリー |