タイトル |
えん麦冠さび病抵抗性新品種「冠」の育成 |
担当機関 |
北海道農業試験場 |
研究期間 |
1959~1993 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
えん麦「冠」は、冠さび病抵抗性に極強の青刈り・サイレージ用品種である。熟期は、育成地では極早生であるが、西南暖地では早生に属し、冬季の青刈り用および春季のサイレージ用に適する。西南暖地以南の秋播栽培および冠さび病多発地帯において、単播栽培に適する。
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キーワード |
えん麦、冠さび病抵抗性、青刈り用、サイレージ用、秋播栽培、単播栽培
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背景・ねらい |
西南暖地におけるえん麦栽培ではしばしば、冠さび病の多発による大幅な減収および飼料価値の低下がもたらされている。しかし、これまでの栽培品種は、ほとんどが罹病性で、有効な防除策もなかった。このため西南暖地に適する冠さび病抵抗性で青刈り・サイレージ用品種の開発が要望されていた。
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成果の内容・特徴 |
- 冠さび病抵抗性は、育成地の札幌では「アキワセ」の弱に比べ、やや強であるが、西南暖地では極強で、ほとんど発病しない。
- 出穂期は、育成地では極早生の「アキワセ」並であるが、西南暖地では「アキワセ」より2週間遅く、早生に属する。
- 冬季の青刈り利用、春季のサイレージおよびホールクロップサイレージ用に適する。
- 草型は、直立で葉身の下垂度が大きく、葉色は、中で初期伸長がすぐれている。
- 草丈および稈長は、「アキワセ」より高く、茎数または穂数は、「アキワセ」より少ない。
- 耐倒伏性は、「アキワセ」並かやや劣る。
- 乾物収量および生草収量は、「アキワセ」よりやや高く、病害発生下ではこの差は著しい。
- 飼料成分は、「アキワセ」よりやや優れる。
- 採種量は、千粒重が軽いこともあって「アキワセ」の約80%とやや少ない。
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成果の活用面・留意点 |
- 適応地域並びに普及見込み面積 西南暖地以南の秋播栽培および冠さび病の多発地帯に適する。普及見込み面積: 2,000ha
- 栽培上の留意点
- 西南暖地においては早生種に属し極早生種ではないので、「夏播」栽培では年内出穂に至らないため年内刈りサイレージ用には適さない。
- イタリアンライグラスとの混播栽培においては、通常の混播割合ではイタリアンライグラスの生育を抑制するので単播栽培を基本とする。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
イタリアンライグラス
えん麦
新品種
抵抗性
品種
防除
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