アルファルファ雄性不稔個体の組織培養によるクローン増殖後の変異

タイトル アルファルファ雄性不稔個体の組織培養によるクローン増殖後の変異
担当機関 草地試験場
研究期間 1994~1994
研究担当者
発行年度 1994
要約 アルファルファの雄性不稔個体を組織培養から得られる不定胚でクローン増殖した場合のソマクローナル変異の影響を検討した。その結果、雄性不稔性は維持され、F1品種の種子親とする場合の種子生産性も問題のないことを明らかにした。
背景・ねらい アルファルファ一代雑種品種の育成には、雄性不稔個体を組織培養から得られる不定胚によって大量増殖することが期待されるが、再分化植物にみられるソマクローナル変異の影響が問題となる。そこで、再分化植物を茎頂由来の栄養系と比較して、ソマクローナル変異が実用上問題となるか否かについて検討した。
成果の内容・特徴 アルファルファの部分雄性不稔個体(MSxC77)-1を組織培養により形成される不定胚でクローン増殖し(SD5B法、Okumura et al. 1993)、再分化植物およびこれらを種子親にしたF1植物の種子生産に関与する形質について変異を調べた。
  1. 雄性不稔個体(MS×C77)-1の再分化植物14個体中2個体で染色体の倍加がみられたが、この染色体倍加個体は葉の肥厚等の外部形態の変化により容易に識別することができた(図1)。
  2. 形態に異常がみられなかった12個体の再分化植物と再分化を経ていない茎頂由来植物の間で、花粉粒数、自殖および交配種子の着粒数を比較した(表1)。その結果、再分化植物と茎頂由来植物との差異は小さく、ソマクローナル変異の程度は実用上問題にならない。
  3. ソマクローナル変異の次代への影響を調べるため、雄性可稔個体(CUF101-56)を共通の花粉親として、雄性不稔個体(MS×C77)-1の再分化植物および茎頂由来植物との間のF1系統の間で、開花日、頭花数、花数および花粉粒数を比較した(表2)。その結果、開花日で3系統、花数で2系統が茎頂由来F1と有意な差を示した。しかし、茎頂由来F1系統でもかなり大きな変異幅がみられること、再分化植物由来系統の平均でみると茎頂由来の系統とほとんど差がみられないことから、採種関連形質については、実用上の影響は無視し得る程度である。
成果の活用面・留意点
  1. 大量にクローン増殖した雄性不稔個体を利用して、一代雑種品種の育成が期待される。
  2. 染色体倍加個体がF1種子生産に及ぼす影響を検討する必要がある。
図表1 224685-1.gif
図表2 224685-2.gif
図表3 224685-3.gif
カテゴリ アルファルファ 品種

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる