タイトル |
前作物がとうもろこしの内生菌根菌感染率ならびに生育収量に及ぼす影響 |
担当機関 |
北海道農業試験場 |
研究期間 |
1994~1994 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
前作物の種類はトウモロコシの生育収量に大きく影響する。これは前作物の種類によってトウモロコシ根の内生菌根菌感染率が大きく変化し、リン酸吸収量に差が生じることによる。生育初期の土壌水分が高い場合には前作物の影響は小さくなる。
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背景・ねらい |
前作物の種類によって後作物の生育が大きく影響されることは知られているが、それがどのような理由によるものかは必ずしも明らかではない。そこで、北海道の代表的作物であるトウモロコシについて、前作物がどのような機作で影響を及ぼすのかを検討した。
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成果の内容・特徴 |
無作付を含む7種作物の栽培跡地においてトウモロコシの生育、収量、リン酸吸収がどのように変化するかを、表層多腐植質黒ボク土圃場のリン酸施用および無施用条件で検討した。
- 平成3、4年のトウモロコシ子実収量は前作物の種類により大きく異なり(図1)、生育初期のリン酸吸収量が多いほど高く、少ないほど低い傾向にあった(図2)。
- 作物のリン酸吸収を促進する内生菌根菌の感染率をみると、ヒマワリ、トウモロコシ、大豆跡で高く、馬鈴薯、春小麦跡でやや低く、テンサイ、ナタネ類、および無作付跡で低くなっており(図3)、生育が良いものほど感染率が高くなっていた。
- 一方、平成5年のトウモロコシの生育、収量は前作物に影響されず、内生菌根菌感染率も一様に高くなっていた。生育初期の気象条件を比較すると、平成5年には降雨量が前2年より著しく多かった。そこで、異なる土壌水分条件で前作物のトウモロコシへの影響をみたところ、土壌水分が高いほど生育の差が少なく(図4)、内生菌根菌の感染率も高まっていた。
- このように、トウモロコシの生育収量は前作物の種類に大きく影響される。これは前作物の種類によってトウモロコシ根の内生菌根菌感染率が大きく変化し、リン酸吸収量に差が生じることによる。前作物の影響は、生育初期に降雨の少ない年には大きいが、降雨の多い年には内生菌根菌感染率がいずれの前作物跡でも高くなるため小さくなる。
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成果の活用面・留意点 |
- 5月下旬~7月上旬に雨の少ない北海道では、前作物はトウモロコシのリン酸吸収、ひいては生育・収量に大きく影響すると考えられる。
- この結果は1ヶ所の土壌での結果であり、他の土壌では別に検討が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
大豆
てんさい
とうもろこし
なたね
ひまわり
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