タイトル |
オオタバコガの多発生と重要害虫化の確認 |
担当機関 |
草地試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
1994~1995年にかけて、主に西日本でオオタバコガが多発生していることを明らかにし、近似種タバコガとの終齢幼虫における識別点を明確にした。また、我が国では寄主植物とされていなかった作物での発生を確認した。
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背景・ねらい |
1994~1995年にかけて、タバコガ類の多発生と新たな作物での発生が認められた。全国の病害虫防除所、農業試験場等からの依頼にもとづきこれらタバコガ類の同定を行った。同時に外国で corn earworm としてトウモロコシの害虫として知られるオオタバコガの我が国での寄主植物についても検討を加えるとともに、近似種タバコガとの識別点を明瞭にする。
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成果の内容・特徴 |
- 日本全国からのタバコガ類の同定依頼にもとづき、1994年夏~1995年にかけ西日本で、オオタバコガが多発生していることを明らかにした。
- また、この時これまで我が国では記録のなかった多くの作物に被害が及んだことから、オオタバコガの寄主植物について検討を加えた。1994年には我が国では表1で示した各種作物が被害を受けたことが判った。また、農業環境技術研究所所蔵の標本調査から、オオタバコガが過去に我が国で、ワタ、ラッカセイ、トマト、ソルガム、ガーベラ、レタス、ヒマワリ、カーネーション、キク、ナスに発生していたことを確認した(表2)。さらに海外では、これら以外の多くの作物の被害が報告されており我が国でも今後の各種作物での発生に注意する必要がある。
- オオタバコガと近縁種のタバコガはこれまでしばしば混乱されてきた。そこで両種の形態的差異を明瞭にした。すなわち加害している幼虫期では終齢幼虫において、腹部第7, 8節の気門長とSD1刺毛基板(図1、SD1の黒丸)の縦直径の比率で区別できることが判った(表3)。また成虫ではタバコガでは前翅亜外縁線がM3以下で鋸歯になること、オオタバコガでは後翅翅脈が黒色で、後翅が全体に白っぽいことで識別できる。
- オオタバコガは、多くの薬剤に抵抗性を発達させることが知られており、幼虫は果実や結球した植物体に潜ること、寄主植物の範囲が広いこと、長距離移動性があることから難防除害虫と考えることができる。また、以上の事実からオオタバコガは我が国において重要害虫化したと考えるべきである。
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成果の活用面・留意点 |
- 西日本のみならず、今後は東日本においてもオオタバコガの発生に注意する必要があるが、本成果により今後のオオタバコガの発生を的確にとらえることが可能となる。
- しかし、若齢、中齢の幼虫においては、オオタバコガとタバコガを形態的に区別することはできないので注意が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
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