飼料用トウモロコシの黄熟期収穫による硝酸中毒の回避

タイトル 飼料用トウモロコシの黄熟期収穫による硝酸中毒の回避
担当機関 草地試験場
研究期間 1995~1995
研究担当者
発行年度 1995
要約 窒素多量施用条件下でトウモロコシを生育させた場合でも、硝酸態窒素の大部分は茎に含まれていた。従って、硝酸態窒素濃度を許容限界とされる0.2%以下にするには、茎割合が低くなる黄熟期にトウモロコシを利用すればよい。
背景・ねらい 飼料作物体中の硝酸態窒素に起因すると思われる反芻家畜の急・慢性疾病が問題となっている。そこで、窒素多量施用条件下で栽培しても硝酸中毒を生じにくい飼料作物としてトウモロコシをとりあげ、その硝酸態窒素濃度に影響する要因について明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 窒素施肥量を増すと土壌中の硝酸態窒素量は施肥量に対応し増加するが、一方、黄熟期のトウモロコシ体中の硝酸態窒素濃度は、硝酸中毒の許容限界とされる0.2%以上にはならなかった。この理由としては、硝酸態窒素は施肥量に関係なくほとんど茎にしか含まれておらず、黄熟期の茎割合は3割程度であるので登熟期の乾物集積により希釈されたためと考えられた(表1)。
  2. 開花期以降、生育ステージの進行と共にトウモロコシの硝酸態窒素濃度は低下した(表2)。これは、生理的な硝酸態窒素を蓄積する能力(新鮮重あたりの茎の硝酸態窒素濃度)の低下よりも、むしろ乾物集積による希釈効果(茎割合の低下および茎の乾物率の上昇)が主要因と考えられ、硝酸態窒素濃度の低いトウモロコシを得るための収穫時期の重要性を示している。
  3. 硝酸態窒素含量の品種間差は茎の硝酸態窒素蓄積能力の違いにあると思われた。また、蓄積能力の高い品種においても、黄熟期に達すれば茎割合が3割程度となり、トウモロコシ全体の硝酸態窒素濃度が0.2%を超えることはなかった(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 家畜ふん尿の多量還元圃場における自給飼料生産に活用できる。
  2. 家畜ふん尿の多量還元圃場ではミネラルバランスや地下水汚染についても考慮する必要があるので、本成果の適用には注意が必要である。
図表1 224740-1.jpg
図表2 224740-2.jpg
図表3 224740-3.jpg
カテゴリ 肥料 飼料作物 飼料用作物 施肥 とうもろこし 品種

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