フリーストール構造が横臥行動に及ぼす影響

タイトル フリーストール構造が横臥行動に及ぼす影響
担当機関 畜産試験場
研究期間 1991~1995
研究担当者
発行年度 1995
要約 フリーストール牛舎のストールに牛が出入りし、起立・横臥する際の動作・行動解析を行った。ストール長の影響は明確ではなかったが、ストール幅は牛の腰角幅の2倍が最適であった。ミシガン型の隔柵はU字型や標準支柱型の隔柵に比べて、ストール内での牛の横臥角度が大きく、牛のき甲や尾端はストールの前方に位置する。
背景・ねらい フリーストール牛舎におけるストール寸法や隔柵構造が適切でなければ、ストール内での牛の起立・横臥動作が楽にできず、牛のストールの利用率が低下する。このため、通路で休息する牛が現れ、乳房が汚れて搾乳作業能率が低下したり、乳房炎発生などの原因となっている。そこで、ストール寸法や隔柵構造がストール内での牛の横臥行動に及ぼす影響を明らかにした。
成果の内容・特徴
    実験畜舎内にストール寸法の変更が可能な実験用ストールを設け、スタンチョン牛舎で飼養されていたホルスタイン種乳牛1頭(空胎、体重743kg、体長=166cm、腰角幅=60cm)を供試して、ストール内の起立・横臥動作をタイムラプスビデオで記録した。ストール寸法の影響については、壁構造の隔柵を供試し、1週間馴致した後、各試験区毎に2日間の予備期間を設けて調査した。隔柵構造の影響についてはストール寸法(L=体長の1.1倍、幅=腰角幅の2倍、ネックレール高さ=110cm)を一定にして、U字型、ミシガン型、標準支柱型の3種類について比較した(図1)。
  1. ストール長(L:体長の1.1~1.2倍)が起立・横臥動作に及ぼす影響は明確ではなかったが、ストール幅(H:腰角幅の1.8~2.2倍)の影響は顕著であった。牛のストール内での横臥角度(き甲と十字部を結ぶ線がストールの中心方向となす角度で、時計回り方向を-(図2))は、ストール幅が狭くなるにしたがい十字部が隔柵から離れるように変化し(図3)、隔柵壁と腹部との接触位置が高くなる傾向を示した。
  2. ストール内での横臥回数や1回当たりの平均横臥時間は、ストール幅が腰角幅の2.2~2.0倍区では同程度の値を示したが、1.8倍区では横臥回数が増加し、1回当たりの横臥時間が短くなる傾向を示した(図4)。
  3. ストール内で横臥している牛のき甲位置や横臥角度は、隔柵構造により影響された。ミシガン型隔柵では、U字型や標準支柱型の隔柵に比べてき甲がストール中心線上近くに位置し、横臥角度が大きい傾向を示した(図5)。また、ストール内でのき甲や尾端の位置は、ミシガン型の隔柵では他の隔柵に比べてストールの前方に位置する傾向を示した(図6)。
成果の活用面・留意点
  1. フリーストールにおける家畜の動作行動解析データは、ストール設計の資料として参考になる。
  2. さらにデータを蓄積し、平準化を図る必要がある。
図表1 224761-1.jpg
図表2 224761-2.jpg
図表3 224761-3.jpg
図表4 224761-4.jpg
図表5 224761-5.jpg
図表6 224761-6.jpg
カテゴリ なす 乳牛

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