北関東におけるススキ型およびアズマネザサ型放牧地の植物生産量

タイトル 北関東におけるススキ型およびアズマネザサ型放牧地の植物生産量
担当機関 草地試験場
研究期間 1995~1995
研究担当者
発行年度 1995
要約 那須地方で放牧利用されるススキ型およびアズマネザサ型草地の地下部を含む純一次生産量は乾物でそれぞれ1164、764g/m2、地上部では714、811g/m2であり、寒地型牧草に匹敵したが、主な採食部位である葉部生産量は寒地型牧草の1/3から1/2であった。
背景・ねらい ススキやアズマネザサなどの野草類は、わが国在来の主要な家畜飼料資源である。一方、地球環境問題から草地の炭素収支が問われている。これら野草が放牧利用されている条件での純一次生産量を測定し、畜産利用する際や炭素収支算出の基礎資料を得る。
成果の内容・特徴
  1. ススキ型およびアズマネザサ型放牧草地の植物生産量を、寒地型放牧草地と比較し示した。対象野草地の放牧牛は黒毛和種繁殖牛であり、ススキ型草地ではススキの維持をはかるために6月と秋の2回、アズマネザサ型草地では5月下旬から11月上旬までの輪換放牧であり、年間約200ないし180 CD/haの放牧がなされた。ここで、CD/haは牛体重を500kgに換算した延べ放牧頭数である(表1、2)。
  2. 純一次生産量の算出は、ケージ内外差の積み上げ法による。地上部については枯死部の消失量を加算したが、地下部については加算していない。
  3. ススキ型草地、アズマネザサ型草地の地上部純生産量は乾物で、それぞれ714 と811 g/m2、地下部純生産量はそれぞれ450 と-47 g/m2であった。その合計である純一次生産量は1164と764 g/m2であり、寒地型牧草に匹敵する値であった。しかし、家畜の主要な採食対象である葉部生産量は、ススキ型、アズマネザサ型草地でそれぞれ260と320 g/m2であり、地表ないし5cm以上の草量を可食部とした寒地型牧草生産量の1/2-1/3であった(表2)。
  4. 純一次生産における、生育期間(4から10月)の日射エネルギーの利用効率は、牧草で0.60から 0.72%であるのに対し、アズマネザサ型草地で0.68%、ススキ型草地で0.73%であった(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 北関東で放牧利用されている、ススキ型草地とアズマネザサ型草地の年間の乾物生産量の基礎データとなる。
  2. ススキ型草地の放牧は、ススキを維持する条件での値である。
図表1 224764-1.jpg
図表2 224764-2.jpg
図表3 224764-3.jpg
カテゴリ 寒地 繁殖性改善

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