雑種種子の生存に及ぼす牛の消化作用と堆肥の発酵温度

タイトル 雑種種子の生存に及ぼす牛の消化作用と堆肥の発酵温度
担当機関 草地試
研究期間 1996~1996
研究担当者 伊吹俊彦
原島徳一
黒川俊二
清水矩宏
西田智子
石田元彦
尾上桐子
発行年度 1996
要約 ワルナスビ種子が混入した飼料を牛が採食すると、約60%の種子が生存したまま排出された。ワルナスビ種子を採食した牛のふんを戸外に置くと、種子の約15%が出芽した。堆肥化により雑草種子を死滅させるには、60℃以上の温度が必要。
背景・ねらい  近年、イチビやワルナスビなどの外来雑草が、飼料畑等で繁茂し、被害が広がっている。濃厚飼料に混入した雑草種子が牛に採食され、堆肥とともに飼料畑等に散布されることで、外来雑草が蔓延している可能性が懸念される。そこで、牛ふん中の種子が飼料畑等に定着する可能性及び堆肥化による種子の死滅条件について調査した。
成果の内容・特徴
  1. オオムギ(飼料A)あるいはトウモロコシ(飼料B)にワルナスビ種子を混ぜて3頭ずつの牛に採食させた。糞からは約8割の種子が回収され、生存したまま回収された種子は約6割に及んだ。また、牛のふんを底に穴のあいたプラスチック箱にいれ、草地に置くと、ふん中に有ると計算された種子の約15%が出芽した(表1)。
  2. 15種類の雑草種子を実験用堆肥槽に入れて、堆肥の温度と種子の発芽率を調査した。発芽した種数と堆肥中の最高温度との回帰直線を計算すると、57℃以上では全ての種が死滅すると推定された(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 雑草の侵入防止のための堆肥の腐熟温度の目安となる。
  2. 種子の死滅温度は、種子が水分を含んだ状態でのみ適用可能。堆肥内の温度は、不均一なため十分な切り返しが必要。また、熱に対する種の反応は休眠状態などによって変化する。なお、水分を吸収した種子は、60℃で3時間処理するとほぼ死滅する(野口・江川1994)。
図表1 224790-1.jpg
図表2 224790-2.jpg
カテゴリ 病害虫 大麦 雑草 とうもろこし なす

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