素掘りラグーンに貯留したスラリーが浅層地下水の窒素濃度に及ぼす影響

タイトル 素掘りラグーンに貯留したスラリーが浅層地下水の窒素濃度に及ぼす影響
担当機関 草地管理
研究期間 1996~1998
研究担当者 宮地直道
金澤健二
早川嘉彦
草場敬
伴和秋
発行年度 1996
要約 地下に難透水層とその直上に透水性の高い滞水層を持つ緩傾斜面に掘削した素掘りラグーンに、粘性が低く窒素濃度の低いスラリーを投入すると、投入直後から急速に周辺の浅層地下水を汚染し、その影響は3ヶ月後にも認められる。
背景・ねらい  フリーストール牛舎導入を背景に、今後の酪農ではスラリー方式により大量の家畜排泄物を処理する例が増加する可能性がある。一方、その処理施設建造が遅れ、スラリーを素堀のラグーンに貯溜する事例が出始めている。その場合、周辺の地下水、ひいては水系に悪影響を及ぼす可能性がある。その影響程度を浅層地下水中の全窒素濃度の追跡により明らかにする。
成果の内容・特徴
     北海道農業試験場内で、地下2m以内に難透水層が、その直上に透水性の高い(飽和透水係数10-2cm/秒オーダー)滞水層がある緩傾斜面(傾斜度1.7○)に素掘りのモデルラグーン(直径10m、深さ1.8m;(写真)を造設し、雑排水により希釈され極めて粘度の低い乳牛のスラリー(全窒素濃度は0.08%)を2回に分け計125トン投入した。ラグーン周辺の難透水層直上に埋設した地下水採取管より浅層地下水を採取し、全窒素濃度を定量した。また、ラグーンに残存したスラリーの水深を測定した。試験期間は1995年6月14日~9月7日であった。地下水の全窒素濃度が2mgN/L以上(投入前の最高値は1.2mg/L)の場合をスラリーの影響と判断した。
  1. 影響範囲は斜面の最大傾斜方向(等高線と直交する方向)へ拡大する(図1)。
  2. 影響範囲は投入直後から急速に拡大し、9日後以降は縮小に転じる(表1)。その影響は、最盛期にはラグーンの75m下方まで、試験終了時(85日後)に於いてもラグーン15m下方まで認められる。
  3. ラグーンの水位は、スラリー投入直後に著しく低下し、投入10日後以降は緩慢になるが、54日後まで低下し続ける(図2)。54日後のラグーンの水深は、投入した全スラリーの水深相当値に、降水による増加を加算し、蒸発による減少を減算した計算値の77%となり、残り23%相当分のスラリーは漏出したと推定される。
成果の活用面・留意点
  1. 本成果は比較的窒素濃度の低いスラリーまたは尿汚水を透水性の高い土壌で素掘りラグーンに貯留した場合のスラリーによる地下水汚染に対する評価の判断材料となる。
  2. 粘度の高いスラリーを用いた場合、土壌の透水性、設置地点の傾斜度が異なる場合等、条件が異なるときは別途検討を要する。
図表1 224801-1.jpg
図表2 224801-2.jpg
図表3 224801-3.jpg
図表4 224801-4.jpg
カテゴリ 乳牛

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