雌牛の放牧を利用した一産取り肥育技術

タイトル 雌牛の放牧を利用した一産取り肥育技術
担当機関 草地試験場
研究期間 1991~1993
研究担当者 山崎敏雄
青木康浩
中西直人(現中国農試)
発行年度 1996
要約 F1雌牛のー産取り肥育では10~16か月齢の間放牧育成しても13~14か月齢で受胎し、舎飼と同じ32~33か月齢で肥育仕上げができた。分娩後子牛に授乳すると肥育仕上げは2か月弱遅れた。
背景・ねらい  牛肉の輸入自由化以後、乳用種子牛の肉質向上のために黒毛和種とのF子牛生産が盛んになった。
 F雌子牛は去勢子牛より発育が遅いため低く評価されているが、ー産させることで経済価値が高まることが期待される。ここでは枝肉構成と肉質の変化を検討した。また、分娩後子牛に授乳する場合としない場合の比較を行った。
成果の内容・特徴 雌子牛12頭を10~16か月齢の間放牧育成し、この間12か月300kgを目途に授精した。終牧後は分娩までDG 0.8kgで飼育し、分娩後に子牛を離し濃厚飼料と粗飼料を飽食させ肥育し、子牛は人工哺乳した。肥育6、9、12、15か月で枝肉構成と肉質を調べた。また、同様に育成した4頭を分娩後3か月間子牛に授乳させた区とさせない区に分けて、分娩後6か月間肥育し、増体と飼料利用性を比較した。
  1. 放牧中に13~14か月齢で1~2回の授精で受胎し、全頭23~24か月齢で分娩した。
  2. 分娩後の増体、(表1)と枝肉構成(表2)から、枝肉構成が一定となる9か月前後の肥育が適当である。同じ牛の発育過程でみた脂肪交雑の変化は枝肉構成変化とほぼ平行するので肉質の面からも9か月の肥育で良く、放牧育成しても舎飼の黒毛和種ー産取り肥育とほぼ同じ32~33か月齢で肥育仕上げができる。
  3. 分娩後授乳すると飼料利用性は下がり(表3)、6か月目の体重差からみると肥育仕上げは2か月弱遅れる。授乳が枝肉成績に及ぼす影響はみられない(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 放牧育成中に受胎させることにより過肥を防止しながらFのー産取り肥育ができる。
  2. 難産防止のために小格系統の種雄牛との交配が望まれる。
図表1 224820-1.jpg
図表2 224820-2.jpg
図表3 224820-3.jpg
図表4 224820-4.jpg
カテゴリ 飼料利用性

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