ソルガム一代雑種親自殖系統「JN43」

タイトル ソルガム一代雑種親自殖系統「JN43」
担当機関 長野県畜産試験場
研究期間 1997~1997
研究担当者 荻原英雄
我有満
海内裕和
春日重光
袖山栄次
滝沢康孝
中村茂文
南峰夫
発行年度 1997
要約 高消化性遺伝子&bmr-18&を保有する「JN43」(ジェイエヌヨンジュウサン)は、育成地では&中生の早&で、茎葉の消化性、初期生育および採種性に優れた自殖系統である。サイレージ用ソルガムのF1品種の花粉親系統として利用できる。
背景・ねらい 粗飼料の高品質化に対する要求が強まる中で、ソルガムは耐干・耐湿性や乾物生産性等にメリットが多いものの、栄養価や嗜好性は低いため、消化性の育種的改良の意義は大きい。そこで、茎葉部のリグニン形成を抑制する高消化性遺伝子&bmr-18&を持ち、一代雑種育種で花粉親として利用できる自殖系統の育成を行った。 
成果の内容・特徴
    1.「F6-3A-5(bm,bmr)×千斤白」を母材とし、低温伸長性、耐倒伏性および採種性を中心に選抜と自殖により育成したbmr-18遺伝子を持った自殖系統である。
    2.初期生育は「千斤白」より優れる。(表1)3.出穂期は「千斤白」並で、熟性は&中生の早&である。(表1)4.稈長は2m前後で、稈径は「千斤白」より細く、茎は乾性である。(表1)5.倒伏割合は「千斤白」より多いが、花粉親系統として実用上支障のない耐倒伏性を備えている。(表1)6.アブラムシの発生は「千斤白」より多いが、葉枯はほとんどない。(表2)7.すす紋病抵抗性は「極弱」、紋枯病抵抗性は「中」である。(表2)8.鳥害の発生程度は「甚」で、抵抗性はない。(表2)9.穂は紡錘型で、粒密度はやや密である。粒色は白、千粒重は22~24g程度で品質は良い。(表1)10.精選種子重は2ヶ年平均で 66.1 kg/aと多収である。(表1)11.茎葉部の消化性は「千斤白」より優れ、特に構造性物質の消化性に優れている。(表3)12.本系統を花粉親とする単交配一代雑種「葉月」は、稔性は95%と高い。茎葉部の乾物消失率は「スズホ」に比べ約14%高く、ホールクロップサイレージの嗜好性と消化性は「スズホ」より優れる。(表4)13.主要形質の固定度は他の自殖系統とほぼ同等で実用上支障はない。(データ省略)
成果の活用面・留意点
    1.サイレージ用ソルガムF1品種の花粉親系統として利用する(種苗登録申請中)。
    2.栽植密度はアール当たり1667本程度とし、花粉親として栽培する場合の種子親との畦比は種子親:花粉親を4:1とする。
    3.すす紋病抵抗性は「極弱」なため、すす紋病の多発地での栽培は避ける。

図表1 224827-1.JPG
図表2 224827-2.JPG
図表3 224827-3.JPG
図表4 224827-4.JPG
カテゴリ 育種 ソルガム 耐湿性 鳥害 抵抗性 品種

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