石礫圃場に対応した部分耕バンドシーダ

タイトル 石礫圃場に対応した部分耕バンドシーダ
担当機関 草地試験場
研究期間 1992~1997
研究担当者 岡戸敦史
糸川信弘
住田憲俊
発行年度 1997
要約 多石礫圃場においても部分耕耘しながら、耕耘部分に一定幅で牧草類を散播できる部分耕バンドシーダを開発した。施肥播種部の機械振動が大幅に緩和されるとともに耕耘条間を狭くすることで、全面耕起法と同程度の雑草抑制が可能である。
背景・ねらい ミニマムティレッジと施肥、播種作業を同時工程化することは、省エネルギーのみならず、適期播種や作物切替え期の労働ピークの緩和によるゆとりの創出に重要である。1年生牧草類を対象に、既に開発されている部分耕耘・播種技術を活用して、石礫圃場を含めた不良条件下において一行程で耕耘・施肥・播種できる省エルギー型の低コストな栽培・管理作業技術を開発する。 
成果の内容・特徴 正転ロータリ部分耕の利点を生かしながら、石礫への適応性を高めるとともに種子を耕耘部分の一定幅に散播(バンド播種)し、同時に施肥できる部分耕バンドシーダを開発した(図1)、(表1)。部分耕バンドシーダは、従来より耕耘条間が狭く、かつ石礫遭遇時の耕耘部の衝撃振動が施肥・播種部に伝達しにくい構造である。
  1. ロータリ前方のローアリンクヒッチ点近傍を可動支点とし、カゴローラを他方の支点とするロータリ本体から独立したフレーム上に空気搬送式施肥装置およびモータ駆動式播種装置を配置して、振動の軽減を図った。ロータリ本体の上下振動加速度はローラ側のフレーム上で約1/5に減衰し(図2)、種子、肥料の繰り出し状態が安定する。
  2. 試作機の耕耘所要動力は、耕深にほぼ比例して増大する。耕耘幅1m当たりの所要動力は耕深8cm(土壌硬度1.38MPa、走行速度0.9m/s、耕耘ピッチ10cm)において17.4kWである。飛散した耕耘攪土を耕耘溝に誘導するガイドおよび種子導管は、均平板に取り付けた。
  3. スーダングラスの収量等を表2に示した。1番草の雑草割合は約30%に達したが、2番草では著しく減少する。バンド播種により条間の未播種幅が5~15cmとなるので、雑草が被圧され除草剤は基本的に必要ないと考えられた。なお、表面の耕耘面積割合は約40%、耕耘断面積はプラウ耕の10~15%、ロータリ耕の20~30%に相当し、圃場内作業時間は、プラウ耕による慣行作業方式の約半分である。
成果の活用面・留意点
  1. 不良圃場条件下での耕耘・施肥・播種同時作業が可能となり、省力性、汎用性を求められる飼料生産組織(コントラクタ)用の作業機に適する。
  2. 圃場の均平および種子の十分な鎮圧が確保できるよう、圃場状態に応じて耕深等を調整する。
図表1 224839-1.JPG
図表2 224839-2.JPG
図表3 224839-3.JPG
図表4 224839-4.JPG
カテゴリ 肥料 病害虫 栽培技術 雑草 省エネ・低コスト化 除草剤 施肥 低コスト 播種

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