微量元素の野草中における自然存在量

タイトル 微量元素の野草中における自然存在量
担当機関 草地試験場
研究期間 1997~1997
研究担当者 原田久富美
畠中哲哉
発行年度 1997
要約 北海道から近畿地方までの16地点から採取した野草中の微量元素(Be, Cu, Zn, Mo, Cd,Sb, Cs, Ba, La, Tl, Pb, Bi)濃度を測定した。採取地点毎の中央値から得られた野草中の自然存在量は、Markertの提唱する"reference plant"に近い値であった。
背景・ねらい  微量元素には強い生理活性を持つものが多く、またその生理活性は必須性と毒性の二面性がある。近年の各種産業の農山村地域への進出は、食料生産の場における微量元素汚染の懸念を生じさせており、環境中の微量元素の動態を把握することは今日的な課題である。野草中の微量元素濃度は環境指標として重要であるにもかかわらず、これまでに十分なデータの蓄積がなされていない。そこで、野草の微量元素の自然存在量や分布を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 北海道から近畿地方にわたる16カ所から、できるだけ施肥来歴のない未耕地と思われる場所を選んで野草の地上部を採取し、微量元素濃度を分析した。代表的な野草種はススキ、ヨモギ、クズ、シシガシラ等で、230種が含まれていた。また、Be, Cs, Ba, La, Tl, Biの分析値は、適当な標準試料が得られなかったので参考値として扱った。(表1)
  2. 草地試験場内で採取された野草の微量元素濃度の対数をとり、最小値と最大値の範囲を19階級に分割してヒストグラムを作成した。χ2適合度検定によりCu, Cdについては正規分布に適合すると判断されたが、他の微量元素濃度は対数正規分布していなかった。(図1)
  3. 中央値を代表値に用いて自然存在量を示した。これらの値は、Markertが提唱した"Reference plant"に近い値である。(表2)
成果の活用面・留意点
  1. 環境汚染を調査する際の基準値としての利用が期待できる
  2. さらに西日本地域など測定数を増やす必要がある
図表1 224851-1.JPG
図表2 224851-2.JPG
図表3 224851-3.JPG
カテゴリ 施肥 よもぎ

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