アルファルファのアルミニウム耐性検定法

タイトル アルファルファのアルミニウム耐性検定法
担当機関 愛知県農業総合試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者 神戸三智雄
水上優子
法邑 勲
発行年度 1998
要約 アルファルファのアルミニウム耐性系統を育成するためには、水耕液(Al濃度 0.15mM・りん濃度5μMpH4.5)による発芽-幼苗検定法が有効であり、これによ るアルミニウム耐性の早期選抜が可能である。
背景・ねらい アルファルファはアルカリ土壌要求性が高いため、わが国に多い酸性土壌では生育が不良で、栽培には多量の土壌改良材を必要とする。酸性土壌での栽培に適応した品種の育成が望まれているが、十分な耐性をもつ品種の開発はなされていない。酸性土壌障害の主要因は交換性アルミニウム(Al)によるといわれ、Al耐性は酸性土壌適応に不可欠と考えられる。このため、水耕法による簡便な発芽-幼苗検定法を検討し、Al耐性系統育成に資する。
成果の内容・特徴
  1. Al濃度、りん(P)濃度を変えた水耕液(pH4.5)を用いて発芽率及び6週後生育量を調べた 結果、Al濃度0.1mM以上・P濃度5μM以下の場合有意な品種・系統間差を示した(表1)。 Al濃度0.15mM・P濃度5μM・pH4.5の水耕液を用いた場合、発芽率で有意差が認められたの で、これを検定基準液とした。
  2. 交換性Al濃度が異なる黒ボク土を用いて、発芽率・播種後4週め生存率を調べた結果、宮 城県玉造郡鳴子町川渡で採取した土壌で品種・系統間に有意差が認められ、この土壌が検定 に適すると考えられた(表2)。
  3. 検定基準水耕液を用いた検定の水耕3週後根長と、川渡土壌を用いた土耕検定による4週 後生存率には有意な相関関係があり(r=0.714*)、水耕検定は土耕検定と整合性が高いこと が示された(図1)。
  4. 交換性Al濃度20(me/100g)・pH5.0の黒ボク土を用いたほ場検定では、同土壌で2世代選抜 した系統AS90-4、CLASB94-3の収量が向上した。また、愛系38号、HR552-3、B13-Al4を母材 に発芽-幼苗(土耕)検定で1世代選抜・交配した系統ASG97-1は、生存率・地下部初期生 育量が向上した(表3)。
      以上の結果から、水耕液による発芽-幼苗検定が有効であり、交換性Alの高い黒ボク土で 評価が可能と考えられる。
成果の活用面・留意点
  1. 水耕検定による簡便な検定・選抜により早期にアルファルファのAl耐性を高め、土耕検定 により育成系統の評価を行うことができる。
  2. 実用的品種育成のためには水耕検定による循環選抜を実施するとともに、耐倒伏性等の重 要形質について、ほ場検定が必要である。
図表1 224900-1.JPG
図表2 224900-2.JPG
図表3 224900-3.JPG
図表4 224900-4.JPG
カテゴリ アルファルファ 土壌改良 播種 品種

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