ペレニアルライグラス草地の密度に及ぼす放牧強度・頻度及び掃除刈の影響

タイトル ペレニアルライグラス草地の密度に及ぼす放牧強度・頻度及び掃除刈の影響
担当機関 草地試
研究期間 1998~1998
研究担当者 原島德一
西田智子
尾上桐子
発行年度 1998
要約 ペレニアルライグラスの個体数及び茎数の減少率は頻繁に軽く放牧した場合が最も小さい。掃除刈を行う場合,時期が遅れるとかえって密度低下を起すと考えられる。また,夏期に強い利用を行うと密度低下が大きい。
背景・ねらい ペレニアルライグラスは集約放牧において高生産が可能な草種とされているが,維持年限が短いことが問題となっている。そこで,集約放牧におけるペレニアルライグラスの維持管理技術の確立のために放牧頻度・強度密度等の放牧圧やスプリングフラッシュ時,夏期高温時の残草量が密度の減少に及ぼす影響を解明する。
成果の内容・特徴
  1. 利用2年目(1995年)及び利用初年目(1996年)のペレニアルライグラス(ヤツガネ)・シロクローバ(フィア)混播草地を供試し,多数回強放牧区(FH),多数回弱放牧 区(FL),少数回強放牧区(IH),少数回弱放牧区(IL)の4区を設けた。1区面積は150㎡で,3反復とした。黒毛和種繁殖牛をFH,FL区は10日~20日間隔で放 牧し,IH及びIL区はFH,FL区の2回に1回放牧した(年間の放牧回数はFH,FL区が15回,IH,IL区が8回)。放牧強度は強放牧区は利用率70%,弱放牧区は利用率50%を目途に放牧時間で調節した。個体数の減少は両年ともFL区の減少が最も少なく,IH区の減少が最も大きかった(表1)。茎数も個体数と同様に減少したが,利用2年目草地は強放牧区における茎数の減少が特に大きかった。
  2. 黒毛和種育成牛を輪換放牧しているペレニアルライグラス,シロクローバ混播草地におけるスプリングフラッシュ時(6月)の草量,掃除刈の有無と梅雨明け後の茎数の関 係をみると,茎数の減少率は草量中区の掃除刈区が最も少なかった。茎数の減少率がもっとも大きかったのは1998年は草量多区の放任区であったが,試験開始が遅かった1997 年は草量多区の掃除刈区の方が減少率が大きく,草量が多い区では掃除刈が遅くなるとかえって密度低下を起こすと考えられる(表2)。
  3. 夏期の利用強度が密度維持に及ぼす影響を見るため,梅雨明け後の7月下旬~8月上旬に草量の異なる地点に刈取高さの異なる区を設定し,茎数の推移を調査した。秋の茎数は刈り取り高さが低い区ほど大きく減少しており,夏期に強い利用を行うと密度低下が大きいことが示唆される(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 温暖地(東部)におけるペレニアルライグラス草地の管理技術を開発する場合の参考 資料となる。
  2. 雑草の発生が密度に及ぼす影響等についても検討する必要がある。
図表1 224934-1.JPG
図表2 224934-2.JPG
図表3 224934-3.JPG
カテゴリ 病害虫 管理技術 コスト 雑草 繁殖性改善

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