ラージパッチ抵抗性に優れるシバ新品種「愛媛41-5」

タイトル ラージパッチ抵抗性に優れるシバ新品種「愛媛41-5」
担当機関 東北農業試験場
研究期間 1999~2000
研究担当者 加藤正弘(千葉県農試)
松村哲夫
藤家梓(千葉県農試)
梅本清作(千葉県農試)
樋口誠一郎
米丸淳一
発行年度 1999
要約 シバ(Zoysia japonica)の新系統「愛媛41―5」は国内エコタイプを育種資源に室内検定及び圃場検定により開発されたラージパッチ耐病性(病原菌:Rhyzoctonia solonai)に優れる品種である。 繁殖性及び初冬季緑色保性などの特性にも優れることから、 本系統の利用によりシバの生産と利用場面で環境保全型の無農薬管理が可能となる。
背景・ねらい ゴルフ場では、 晩夏から秋期に常発する葉腐病(Rhyzoctonia solani)病原菌によるラージパッチ被害防除のため多量の農薬が散布され、 土壌及び水などの環境汚染を引き起こし社会問題化した。 農薬散布による環境汚染を防止には、 減農または無農薬化が強く求められた。 在来シバは罹病性が高く、 緑色保持性等のシバとしての特性に劣るため、 これらに替わる新品種の開発が必要とされた。 
 そこで、 東北農業試験場と千葉県農業試験場が共同研究を実施して、 ラージパッチ耐病性系統の開発を行った。 本系統は耐病性に優れ、 繁殖性及び初冬季緑色保持性等シバとしの利用特性にも優れることから、 種苗生産及び実利用場面での期待が大きい。
成果の内容・特徴
  1. ラージパッチ耐病性が強耐病性品種「メイヤー」に準ずる(図1)。
  2. 植物体は「メイヤー」に比べ葉長及び葉幅がやや大きい。 匍匐茎の太さが 
     やや大きいため密度はやや粗である。
  3. 春萌芽は「メイヤー」と同程度である。 
  4. 再生(生育期の匍匐茎の伸張速度)が「メイヤー」より良好なため、 短期間
     でターフを形成する(図2)。
  5. 秋の葉身の伸長が良好で、 「メイヤー」より秋の草勢が優れる。
  6. 秋季の緑色低下が緩慢で、 初冬季緑色保持性が「メイヤー」より優れ、越
     冬性は「メイヤー」と同等か優れる(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象地域はラージパッチが常発する千葉県を含む関東地域とする。 
  2. 耐陰性(遮光率50%での評価試験)が「メイヤー」よりやや劣る傾向を示す
     ので都市部の被陰地での利用を避ける。
図表1 224959-1.jpg
図表2 224959-2.jpg
図表3 224959-3.jpg
カテゴリ 病害虫 育種 新品種 耐病性品種 抵抗性 農薬 繁殖性改善 品種 防除

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