高消化性遺伝子"bmr-18"および"bm"がソルガムの紋枯病・すす紋病抵抗性に影響を及ぼさない

タイトル 高消化性遺伝子"bmr-18"および"bm"がソルガムの紋枯病・すす紋病抵抗性に影響を及ぼさない
担当機関 長野県畜産試験場
研究期間 1999~2001
研究担当者 海内裕和
春日重光
渡辺晴彦
発行年度 1999
要約 高消化性遺伝子"bmr-18"および"bm"を片親に持つF2集団を用い、高消化性遺伝子の導入が紋枯病およびすす紋病抵抗性に及ぼす影響を検討した結果、いずれの病害においてもbmr-18およびbm遺伝子による耐病性の低下は認められない。高消化性遺伝子"bmr-18"および"bm"はソルガムの紋枯病・すす紋病抵抗性に影響を及ぼさない。
背景・ねらい 粗飼料の高品質化に対する要求が強まる中で、ソルガムは耐干・耐湿性や乾物生産性等にメリットが多いが、栄養価や嗜好性は低いため、消化性の育種的改良の意義は大きい。この消化性の改良を効率的に進めるためには、圃場でも識別可能な高消化性遺伝子"bmr(褐色中肋)"bm(無白粉茎)"等は大変有用である。しかし、これら高消化性遺伝子を持つ系統は耐病性に劣るとの指摘もある。そこで、"bmr-18"および"bm"遺伝子の導入が紋枯病およびすす紋病抵抗性に及ぼす影響を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 材料は、紋枯病抵抗性については「F6-3A-5(S.bicolor,bmr-18,bm) × 74LH3213(S.bicolo r)」のF2集団 341 個体)、すす紋病抵抗性については「那系MS-3B(S.bicolor,bmr-18,bm) × Green leaf(S.sudanense)」のF2集団 230 個体を供試し、それぞれ個体別に抵抗性を調 査し、"Normal"(高消化性遺伝子の発現なし),"bmr-18","bm"および"bmr-18・bm"の4グループ間で抵抗性を比較した。
  2. 罹病調査は特性検定実施要領(H11.4.)に従った。紋枯病は病原菌の接種検定、すす紋病は2番草における自然発病により抵抗性の検定を行った。
  3. 紋枯病では、bmr-18遺伝子のホモ個体は、Normalと比較して、抵抗性の低下は認められず、一方、bm遺伝子のホモ個体では抵抗性の向上が認められる(表1,図1)。
  4. すす紋病では、bmr-18およびbm遺伝子のホモ個体は、Normalと比較して、抵抗性の有意な低下は認められない(表2,図2)。
  5. 以上より、高消化性遺伝子を導入しても、紋枯病およびすす紋病抵抗性品種の育成は可能である。
成果の活用面・留意点
  1. 高消化性遺伝子"bmr-18"および"bm"を持つ紋枯病およびすす紋病抵抗性品種育成の基礎的知見として活用できる。
  2. bm遺伝子による紋枯病抵抗性の向上については、さらに素材の変異を広げて検討する必要がある。
図表1 224961-1.jpg
図表2 224961-2.jpg
図表3 224961-3.jpg
カテゴリ 育種 ソルガム 耐湿性 抵抗性 抵抗性品種

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