エンドファイトのiaaM 遺伝子導入形質転換体の作出

タイトル エンドファイトのiaaM 遺伝子導入形質転換体の作出
担当機関 草地試験場
研究期間 1998~1999
研究担当者 Ahmad Yuns(岡山大)
山田哲治(岡山大)
島貫忠幸
発行年度 1999
要約 エンドファイトを植物への有用遺伝子の導入に利用するために、イネ科牧草のネオティフォディウム・エンドファイトにiaaM遺伝子(トリプトファンモノオキシゲナーゼ遺伝子)を導入した形質転換体を作出した。
背景・ねらい 植物とエンドファイトは共生関係にあるために、エンドファイトに有用遺伝子を取り込んだ形質転換体を作出し、これを植物へ導入すれば有用遺伝子の発現が予想される。本研究では牧草のエンドファイトに、植物生長ホルモンIAAの前駆体であるIAM(インドールアセトアミド)産生遺伝子(iaaM遺伝子)を導入した形質転換体を作出する方法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. エンドファイト(Neotyphodium typhinum、チモシー由来)のプロトプラストは、ジャガイモ煎汁液体培地で 22℃、5-6日間振とう培養して得た菌体をノボザイム234処理すると大量に得られた。
  2. エンドファイトにオリーブこぶ病細菌のiaaM遺伝子(トリプトファンモノオキシゲナーゼ遺伝子、図1)を導入する形質転換体の作出には、ポリエチレングリコール(PEG)を用いる方法がエレクトロポレーション法よりも優れていた。
  3. 形質転換体のiaaM遺伝子の染色体DNAへのとり込みは、PCR法によるiaaM遺伝子の増幅により確認した(図2)。形質転換体の培養濾液中には、非形質転換体では認められなかったインドールアセトアミドが産生されていた。また、IAAの産生量も形質転換体で増加していた(図 3)。
成果の活用面・留意点
  1. この形質転換体を植物に接種すれば、植物生育が促進されると考えられ、エンドファ イトを利用した新たな遺伝子導入法となる。
  2. この形質転換体については、寄主植物への感染能、家畜毒性アルカロイド産生については 検討が必要である。
図表1 224972-1.jpg
図表2 224972-2.jpg
図表3 224972-3.jpg
カテゴリ オリーブ ばれいしょ

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