ギ酸とプロピオン酸の複合剤の添加によるロールベールサイレージの品質改善

タイトル ギ酸とプロピオン酸の複合剤の添加によるロールベールサイレージの品質改善
担当機関 草地試験場
研究期間 1998~1999
研究担当者 下名迫寛
河本英憲
小川増弘
早坂貴代史
発行年度 1999
要約 ギ酸とプロピオン酸のアンモニウム錯体を主成分とする複合剤を添加して調製したロールベールサイレージは、無添加サイレージに比較し、乳酸含量が増加し、pH値、酢酸および酪酸含量が低下する傾向を示し、かつ、採食性が向上する。
背景・ねらい ロールベールサイレージは、定置型サイロのサイレージに比較し、気密性に劣る条件下で調製されるため品質や牛の採食性の低下を招きやすい。ギ酸とプロピオン酸の混合添加でサイレージ品質の改善が可能であるが、添加時の作業機腐食が利用の難点であった。
 最近、金属腐食を抑制可能なギ酸とプロピオン酸のアンモニウム錯体を主成分とする複合剤(以下、複合剤と略す)が開発されたが、含まれるアンモニアは採食性を低下させる可能性が懸念される。そこで、この複合剤添加によるロールベールサイレージの品質改善効果と牛の採食性に及ぼす影響を検証する。
成果の内容・特徴
  1. スーダングラス等の5草種各々のサイレージ調製時に複合剤(換算有効成分含量:ギ酸35.7%,プロピオン酸30%)を原物当たり0.3%添加すると、添加サイレージは無添加サイレージに比較し,乳酸含量が有意に(P<0.05)増加し、pH値、酢酸および酪酸の含量が低下する傾向を示す(表1)。
  2. 複合剤添加サイレージは、無添加サイレージに比較し去勢牛の選択採食比率が高まり、採食性が有意に(P<0.05)向上する(図1)。
  3. 被覆ストレッチフィルムに多数のピンホールが生じた場合,添加の有無にかかわらず,表面だけでなく内部にも白色のカビが発生して去勢牛の採食性が低下し,処理区間で嗜好性の差が認められなくなる(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. サイレージ品質改善に及ぼすギ酸とプロピオン酸の混合添加による相加効果を検討する際の情報として活用できる。
  2. ロールベールサイレージを調製する場合は予乾を行い,ストレッチフィルムの損傷を最小限に抑える等,サイレージ調製の基本原則を守る必要がある。
図表1 224982-1.jpg
図表2 224982-2.jpg
カテゴリ

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる