傾斜放牧草地における簡易牧柵と表層鎮圧による裸地修復法

タイトル 傾斜放牧草地における簡易牧柵と表層鎮圧による裸地修復法
担当機関 草地試験場
研究期間 1999~1999
研究担当者 山田 大吾
山本 博
小島 誠
渡辺治郎
発行年度 1999
要約 傾斜放牧草地で牛の縦歩行や崩壊によって発生する裸地の修復法として、簡易牧柵により牛の行動を制限して牧草播種する修復法と、土壌の表層鎮圧のあと牧草播種する修復法とが、簡便で有効である。
背景・ねらい 傾斜放牧草地では、地形や牛の縦歩行に起因した円弧状・筋状の裸地が面積2~5m2の大きさで発生することがあり、これらを放置すれば裸地が連結し草地の荒廃を拡大させる。しかし、立地条件やコストの面から大規模な土木工事対策はとれない。そこで、傾斜角が15度から25度の傾斜草地で、広さ3m×3m程度までの裸地を対象にした簡易牧柵と土壌表層の鎮圧による簡便な修復法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 簡易牧柵法では、裸地の周囲に牧柵を設置し、牛が注意深くゆっくりと行動するようにバラ線などを牧草上に張りめぐらし、播種する(図1、表1)。完全な禁牧とする必要はない。表層鎮圧法では、冬季の凍上や牛の踏圧でゆるんだ表土を鎮圧し、播種する。播種草種は、ペレニアルライグラス(PR)とオーチャードグラス(OG)の単播、PRとOGとケンタッキーブルーグラス(KB)の混播とした。
  2. 簡易牧柵法では、平均植被率は初年度末に61%となり、2年末には68%となって、3年にかけてほぼ安定した(表1、図2)。表層鎮圧法では、初年度末19%で、徐々に増加して2年末には54%となり、3年末には簡易牧柵法と同程度に達した。修復の有効な状態を植被率70%におくと、簡易牧柵法では処理開始後約2年、表層鎮圧法では3年の期間が必要である。
  3. 播種試験区ごとの植被率の経年変化は、簡易牧柵法では1~2年目まではPR区の方が混播区・OG区より高いが、2年目以降に逆転した(図2)。表層鎮圧法では3年目に混播区・OG区がPR区の植被率と同程度となった。草種構成からみると短期的には、ペレニアルライグラス単播で植被率が高いが、長期的には、傾斜草地に生育するケンタッキーブルーグラスの植被率が増加する混播の方が効果的である。
成果の活用面・留意点
  1. 簡易牧柵法は、比較的早く修復することから急傾斜で土壌かく乱の大きな裸地に適し、表層鎮圧法は、ゆっくりと回復することから粗放な管理の草地に適する。播種草種には、ペレニアルライグラスのような先駆的に繁茂する草種と裸地周辺の卓越草種との混播が望ましい。
  2. 牧柵は、2年で撤去可能であるが、斜面を上下行する牛による表土かく乱行動が生じている個所では、行動制御のため継続して設置する。また、牧柵のバラ線により牛がけがをしないように、牧草の草丈に合わせてバラ線の高さを上げたり、部分的に2段張りとする。
図表1 224998-1.jpg
図表2 224998-2.jpg
図表3 224998-3.jpg
カテゴリ くり コスト さやいんげん 播種 ばら

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる