国内育成とうもろこしフリント種自殖系統に見出された細胞質雄性不稔稔性回復系統

タイトル 国内育成とうもろこしフリント種自殖系統に見出された細胞質雄性不稔稔性回復系統
担当機関 長野県中信農業試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者 三木一嘉
重盛勲
前島秀和
発行年度 2000
要約 主要な国内育成とうもろこしフリント種自殖系統は、T型細胞質稔性回復遺伝子の保有頻度は低いがS型およびC型細胞質稔性回復遺伝子の保有頻度は比較的高く、花粉親として利用できる。
背景・ねらい
とうもろこし育種においては、ごま葉枯病の特異的罹病化のためT型細胞質利用による雄性不稔育種を断念した経過がある。しかしながらF1採種において、採種労力・コストの削減に雄性不稔の利用は極めて有効な手段であることには変わりはなく、ごま葉枯病の特異的罹病化が報告されていないS型・C型細胞質の利用は有効と思われる。現在、国内におけるとうもろこし育種は、デント種×フリント種の交配が基本であるため、細胞質雄性不稔利用育種をおこなう場合、花粉親になるフリント種自殖系統が稔性回復遺伝子を保有していることが必要となる。そこで、国内育成のフリント種自殖系統における稔性回復遺伝子の保有状況を調査し、交配組合せおよび集団養成の基礎とする。 
成果の内容・特徴
  1. 全体的にみて、国内育成フリント種自殖系統ではT型細胞質稔性回復遺伝子を保有する頻度は低いが、S型およびC型細胞質稔性回復遺伝子を保有する頻度は比較的高い(表1)。
  2. 北方フリント(NF)、ヨーロッパフリント(EF)の系統では、S型およびC型細胞質稔性回復遺伝子の保有頻度は比較的低く、T型細胞質稔性回復遺伝子は確認されない。
  3. カリビア型フリント(CF)の系統では、特にC型細胞質稔性回復遺伝子を保有頻度が高い(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. S型・C型の細胞質タイプに応じた花粉親の選定に利用できる。また、稔性回復遺伝子を確実に保有するフリント種集団を作成する際の母材選抜に利用できる。 
  2. S型細胞質を持つものは遺伝的に半可稔であるので調査の際は注意を要する。

カテゴリ 育種 コスト ごま とうもろこし

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