タイトル |
リバース走行トラクタと直装型フォレージハーベスタによる収穫技術 |
担当機関 |
草地試験場 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
岡戸敦史
住田憲俊
澤村 篤
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発行年度 |
2000 |
要約 |
後ろ向きに着座できるリバース走行トラクタに3条用の直装型フォレージハーベスタとボンネットワゴンを取り付けて、トウモロコシ等の長大作物を収穫する技術である。作業者 は後方に振り向くことなく作業ができ、転換畑等では中割作業もできる。
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背景・ねらい |
飼料生産基盤の脆弱な府県の酪農、肉用牛経営では、乾物、栄養成分の高いトウモロコシ、ソルガムの長大作物の栽培が中心となっている。このような圃場区画が小さく、分散した圃場基盤(転換畑、中山間地を含む)や飼料生産組織(コントラクタ)でも利用できるわが国独自のトラクタ作業機をベースにした収穫作業技術が求められている。そこで、トラクタを基幹としながらも、中型自走式フォレージハーベスタに匹敵する能力を持ち、一人 作業が可能な収穫技術を開発した。
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成果の内容・特徴 |
- 収穫技術は、収穫部(フォレージハーベスタ)、動力部(後ろ向きに着座できるトラクタ)、荷受け部(ボンネットワゴン)からなる(表1)。フォレージハーベスタは、リバース専用3条用とし、市販機のリバースとサイド作業可能な機種をベースに直装型に改造を行ったものである。ロークロップアタッチメントは市販機を用いている。フォレージハ
ーベスタの質量は1700kgである。
- リバース走行トラクタは、市販のトラクタに、N社が提供するリバース走行用のキットを取り付けることで、後ろ向きに着座して走行できる(図1)。リバース走行のための ハンドル取り替え等に要する時間は2分弱である。
- ボンネットワゴンの使用により伴走車が不要で、収穫作業は一人作業が可能であり、運搬車への排出は油圧によるダンプ機能により3分程度である。
- 転換畑でのトウモロコシの収穫作業は、枕地での手刈り作業が不要で、中割作業や倒伏に対しても適応性が高い。作業速度1.16~1.32m/sと高速で作業できる(図2)。
- 市販のリバース、サイド兼用タイプのフォレージハーベスタに比べて、振り向き作業やリバースからサイドへの切り替え作業が不要である。
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成果の活用面・留意点 |
- 圃場区画が30a以上の畦畔を持つ転換畑等で収穫作業が能率よくできる。
- トラクタの機関出力は66kW級(90PS)以上を必要とするが、66kW 程度のトラクタでは前後バランスについて検討する必要がある。
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カテゴリ |
経営管理
ソルガム
中山間地域
とうもろこし
肉牛
乳牛
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