タイトル |
多重連結したけん引式作業機の追従制御法 |
担当機関 |
生物系特定産業技術研究推進機構 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
亀井雅浩(現
山名伸樹
志藤博克
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発行年度 |
2000 |
要約 |
トラクタに多重連結したけん引式作業機の走行軌跡が一致または平行して一定間隔を保つように作業機の車輪の舵角制御を行う方法。けん引式作業機の追従性が改善されることにより、高能率、高精度な作業が可能になる。
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背景・ねらい |
飼料生産では作業の一層の高能率化、省力化が求められている。その対応策の一つとして、モーアコンディショナ等のけん引式作業機を多重連結して作業を行う方法が考えられるが、旋回時等に生じる走行軌跡のずれのため作業の精度や効率の低下が懸念される。そこで、作業精度と旋回性の向上をねらいとして、多重連結したけん引式作業機の車輪の舵角を制御することによって走行軌跡のずれを低減する方法を開発した。
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成果の内容・特徴 |
- 本制御法は、2台の作業機をインライン同士及びオフセット同士で連結した場合を対象とし、インライン同士ではトラクタが定常円旋回している時の走行軌跡と作業機の走行軌跡が一致するように、また、オフセット同士ではトラクタと作業機の走行軌跡を平行して一定間隔に保つように、作業機の舵角制御を行うことを基本とする(図1)。
- 基本とした制御式では、トラクタが直進から旋回に移行する際には旋回方向内側に、旋回から直進に移行する際には旋回方向外側に作業機軌跡がずれるが、移行の間は作業機の舵角をその直前の状態で保持する機能を制御プログラムに持たせたことにより、これを回避できる。
- トラクタ舵角及び2台の作業機のけん引角を入力値とした作業機舵角のフィードバック制御を1台のコンピュータで行うことができる。
- 本制御法を用いて2台の実験用トレーラ(舵角、けん引角検出用のポテンショメータとDC12V駆動の操舵用電動シリンダを組み込んだ)を22kWのトラクタでけん引して前輪舵角15°で90°旋回すると、走行軌跡のずれを無制御時の7~30%に抑えることができる(図2、図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 実用システム開発時の基礎資料として活用できる。けん引式刈取作業機同士の多重連結作業あるいはロールベーラとベールラッパの組み合わせ作業等に適用可能である。
- 実用システム開発に際しては、各種実作業に供試して作業負荷の影響及び路面摩擦係数の違いによる影響あるいは傾斜による影響等を確認する必要がある。
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図表1 |
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カテゴリ |
省力化
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