野草の低リン耐性とシバ及びススキ型草地におけるリンの循環特性

タイトル 野草の低リン耐性とシバ及びススキ型草地におけるリンの循環特性
担当機関 草地試験場
研究期間 1998~2000
研究担当者 近藤 煕
原田久富美
原島徳一
高橋繁男
西田智子
北原徳久
発行年度 2000
要約 野草地ではきわめて低いリン肥沃度でもリンを有効に利用して乾物生産が行われている。このうちススキ型草地では枯死部と根茎部が大きなリン貯蔵プールとなってリン循環が行われている。シバ型草地では枯死部、根部に加えて土壌表層のリンが寄与する。
背景・ねらい
野草地では土壌中に有効態リンがほとんど見出されないような低養分条件においても、比較的高い乾物生産が維持されている。そこで、野草の低養分耐性機構を明らかにするため、野草地に
おけるリン循環特性を調査する。 
成果の内容・特徴
  1. 土壌中の有効態リンが著しく低い条件においても、野草はリンを相当量吸収する(表1)。とりわけ、アズマネザサ型草地やススキ型草地では、植物体リン濃度がかなり低いにもかかわらず、施肥を行っている牧草と同等か、それ以上の乾物量を維持していた。このことから、乾物生産に
    おけるリン利用効率の高さが、野草の持つ低養分耐性機構の一つと考えられる。
  2. シバ型草地とススキ型草地のリン循環量は以下の特徴を示す。すなわち、シバ型草地では地上部のリン吸収量が土壌表層の有効態リン量に応じて変動したことから、シバ型草地のリン循環
    に土壌リンが強く関与していると推察される(図1-1,図1-2)。
  3. 一方、ススキ型草地は土壌リンとの関係(図1-2)よりもむしろ、根部(主に根茎)と枯死部に大きなリンのプールを持つことが、地上部のリン獲得に寄与する(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 野草中のリン濃度はファクトデーターベースとして公開する。
  2. この成果は放牧を行っていない条件のものである。

図表1 225046-1.png
図表2 225046-2.png
図表3 225046-3.png
カテゴリ 施肥

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる