タイトル |
渦相関法による採草地上のCO2フラックスの季節的変動 |
担当機関 |
草地試験場 |
研究期間 |
1999~2000 |
研究担当者 |
柴田昇平
西田智子
北原徳久
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発行年度 |
2000 |
要約 |
寒地型牧草の採草地における日中のCO2フラックスは、季節毎の牧草の生育を良く反映する。牧草生育期間中の日収支は、数百mg~数g/㎡/日のオーダーでCO2吸収源となっている。
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背景・ねらい |
永年利用される草地は、地下部が地上部に比べて大きく、また、地下部から土壌への有機物移行量も大きい特徴を持つことからCO2の吸収源として働くことが期待されている。そこで、CO2乱流輸送量を直接的に測定できる渦相関法により、オーチャードグラス、トールフェスク、シロクローバが混播された0.5haの採草地上において地上1.3m地点のフラックスを測定し、その季節的変動の特徴を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 春季:牧草群落の発達にともない次第に日中の平均CO2吸収速度(-値)は、2.5g/㎡/hまで増大したが、4月末のトールフェスクの出穂とともにと停滞する。1番草の採草(5月11日)後は、植生の回復状態を反映し、日中の吸収速度は急激に増大する(図1)。
- 夏季:2番草の採草(6月21日)以後、シロクローバの回復の遅れにより、日中の吸収速度の増加は比較的緩やかになる。日平均気温が25℃を越えた時期には夏枯れにより牧草の生育は停滞し、日中の平均吸収速度は、1.0~1.6g/㎡/h程度まで減少する(図2)。
- 秋季:日中の吸収速度は、春季、夏季と比較して高い傾向があったが、牧草生育の停滞とともに低下し、同時に夜間の放出量(+値)も次第に増大する(図3)。
- 採草までの日中の平均CO2吸収量は、17.9~22.5g/㎡/日となり、その41~52%が牧草地上部へと固定される(図4)。また、春(5月23~24日)、夏(8月7~8日)、秋(10月11~12日)の日収支(g/㎡/日)は、それぞれ-0.64、-1.63、-5.12となり、いずれも数百mg~数g/㎡/日のオーダーでCO2吸収源となっている。
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成果の活用面・留意点 |
- 寒地型牧草地の炭素循環に関する基礎データとなる。
- 前年(1998年)の秋に造成後、利用1年目の採草地に関するデータである。
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カテゴリ |
寒地
炭素循環
輸送
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