タイトル |
衛星データを利用した草地更新年次マップの作成 |
担当機関 |
農業環境技術研究所 |
研究期間 |
1991~1994 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
多年次に得られた衛星データから経年数別の草地分光反射特性を明らかにし、明確な特徴を持つ更新草地、新播草地の反射特性を利用して、北海道・根釧地区の1985~1994年までの草地更新年次マップを作成した。
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キーワード |
衛星データ、草地分光反射特性、草地更新年次マップ
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背景・ねらい |
草地は造成後、多年次にわたり継続して利用されるが、高い生産性を長期間維持することは難しく、経年数の増加とともに荒廃する。このため、一般に7~8年程度を目処に耕起・再播種を伴う草地更新を行うよう推奨されている。しかし、実際の農家では必ずしも適期に更新が行われておらず、また、行政側も広域的な草地更新の実態を十分把握していない場合が多い。そこで、衛星リモートセンシングデータを用いて、スペクトル変化から草地の更新年次を広域的に把握し、図化する手法を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 北海道・根釧地区を対象とし、各種の人工衛星データを利用して草地を抽出した。
- 牧草の生育が旺盛な季節でも、更新直後の草地は土壌が露出し、各波長帯の反射も小さいため、他の経年草地とは明確に区別できた。
- 1985~1994年の衛星データを可能な限り集積し、各年次毎に当該年の更新草地を抽出し、これらを全てオーバレイして更新年次基準図とした。
- 上記の更新年次基準図にランドサットTMデータをオーバレイして、経年数別・波長別の草地分光反射特性を調べた(図1、2)。
- このうち、最も特徴が明確な新播草地(経年数1年)を各シーンから抽出した。これらを、データ取得年の前年に更新された草地として、上記の更新年次基準図に付加し、根釧地区の草地更新年次マップとした(写真1)。実利用を考え、1/50000のスケールで出力を行った。
- 作成した更新年次マップと更新年次の聞き取り調査との完全な一致率は45%に留まったが、-1年のズレを許すと80%の一致率となった。-1年のズレの原因は、播種年次が耕起年次より1年遅れる草地が多いことを反映している。
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成果の活用面・留意点 |
- 草地更新年次マップにより、北海道・根釧地区全体の草地更新状況、および各草地の更新年次が把握できるため、地域レベル、農家レベルでの草地管理の指導に利用できる。また、同様の手法を用いれば、他の地域においても、草地更新状況の把握が可能である。
- 他の地域で利用する際には、その地域に応じた手法で草地の抽出を行う必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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図表6 |
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カテゴリ |
播種
リモートセンシング
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