タイトル |
ジャガイモそうか病菌に対する野草 Geranium |
担当機関 |
北海道農業試験場 |
研究期間 |
1994~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
野草のGeranium pratenseはジャガイモそうか病菌( Streptomyces scabies )に対する抗菌性物質geraniinを根中に大量に含有し,ポットの 土壌にこの植物の根を添加するとジャガイモそうか病の発病が低下する。
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背景・ねらい |
バレイショの重要な土壌病害であるジャガイモそうか病に対する現在の防除技術は,効果が不十分で安定性に欠く。一方,植物の中には特殊な化学物質をその体内に含有するものがあり,土壌に供給することにより,他の植物あるいは土壌微生物に影響を与えることが知られている。そこでジャガイモそうか病菌に対し抗菌性を示す植物を検索し,その植物に含有される抗菌物質の分離同定を試みる。
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成果の内容・特徴 |
- 多数の牧・野草についてジャガイモそうか病菌に対する抗菌作用を調査した結果,G. pratense(図1)が強い抗菌性を示す。
- 病土を入れたポットにG. pratenseとバレイショを混植すると,G. pratenseの密度が高いほどジャガイモそうか病の発病は低下する。G. pratenseの根あるいは根の抽出物をポットの土壌に添加すると,ジャガイモそうか病の発病が低下する
(図2)。
- G. pratenseに含有される抗菌物質の主成分はgeraniin
(図3)である。この物質は根の乾物重の約15%と多量に含有され,抗菌活性はstreptom ycinの約1/80で植物起源としては比較的強い (図4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 植物由来抗菌物質geraniinから新規殺菌剤開発の可能性がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
ばれいしょ
防除
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