タイトル |
植物病原細菌の簡易な同定法 |
担当機関 |
農業環境技術研究所 |
研究期間 |
1996~2004 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
植物病原細菌を安価かつ迅速に簡易同定する方法を開発した。既知細菌を本法のために開発した細菌検査手法で培養・検査し,その2日または3日目に得られる検査結果で陽性率とプロフィールインデックスを算出し,データベースを作成した。そのデータベースを基に,未知の細菌を同手法で検査して得た結果をパソコン上で比較し,即座に同定結果を得る。
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背景・ねらい |
農作物の育つ環境には多種多様な細菌が生息しており,その中には作物の病気の原因になるものも含まれている。植物病原細菌は病原性・伝染性・繁殖力において一般の細菌とは著しく異なる。病害の的確な予防・防除のためには病原体の迅速な同定が不可欠である。そのための方法として,市販の細菌検査キット「アピ20NE」を用いる方法を開発してきたが,同法は高価なために何時どこでも利用するわけにはいかない。そこで,同法との連携を前提に安価にかつ迅速に同定する方法を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 調査する細菌学的性質は,7種類の炭素源の利用試験(96穴マイクロプレート内で検査),色素産生,生育温度,グラム反応とし,26℃で3日間培養し,2日目と3日目のデータを集積する。
- 細菌学的性質の調査結果は,菌種ごとに整理して陽性率を求めるとともに,プロフィールインデックス(11項目の細菌学的性質を4つの数字で表す方法)を同じくする群にとりまとめ,その該当株率を算出した(表1,表2)。
- 陽性率に基づく検索法は,菌種ごとにあらかじめ算出しておいた理論値に最も近い値を示す菌種が候補として検出されるように設定した。また,候補菌種ごとに調査菌株と同じプロフィールインデックスを有する株の割合を示した。本法を用いると,同定しようとする菌株がいずれの菌種に最も近いかが判定できる(表3)。
- 平成7年度に開発した「アピ20NE」を用いる方法と併用できるように設計されている。
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成果の活用面・留意点 |
- 細菌は外観の似ているものが多いので,1標本から5株以上検査し,必要に応じて病原性の検査を並行することが望ましい。
- 平成7年度に開発した「アピ20NE」を用いる方法を併用すると,さらに同定精度が上がるように設計されている。
- 検索用ソフトとデータベースは提供できるように検討中である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
データベース
繁殖性改善
防除
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