侵入害虫マメハモグリバエの在来寄生蜂相解明とその図解検索の作成

タイトル 侵入害虫マメハモグリバエの在来寄生蜂相解明とその図解検索の作成
担当機関 農業環境技術研究所
研究期間 1997~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約  近年日本に侵入したマメハモグリバエの在来天敵寄生蜂相を調査し,4科28種を確認した。これに生物農薬として利用されている導入寄生蜂1種を加えた29種について,分類の専門的知識がなくても同定できるよう図解検索を作成した。
背景・ねらい  マメハモグリバエは1990年頃日本への侵入が確認され,施設栽培のキク,トマト,ガーベラ,セルリー等に激しい被害を与えている。本種の幼虫は葉肉内にトンネルを作って加害するため薬剤がかかりにくく,更に極めて多くの薬剤に対して感受性が低いため,薬剤による防除のみで被害を回避することは困難である。そのため,本種に対する天敵を利用した防除法開発のために,在来天敵相を調査して有力な在来天敵を探索するとともに,その同定法を確立する必要がある。
 寄生蜂に関しては,一般向けの同定の手引きや図鑑の類が無く,同定は専門家に任せるしかない状況である。そこで,分類の専門的知識がなくてもマメハモグリバエの寄生蜂を同定できるようにする必要がある。
成果の内容・特徴
  1. 我が国では少なくとも28種の在来寄生蜂がマメハモグリバエに寄生していることが確認された(表1)。このうち,Hemiptarsenus varicornis ,Chrysocharis pentheus ,Neochrysocharis okazakii ,N. formosa4種が各地で優占種となっている。また,Gronotoma sp.は沖縄本島でのみ採集されたが,同地では多数得られており優占種となっている。
  2. 日本産寄生蜂28種に導入寄生蜂であるDacnusa sibirica を加えた29種を同定するため,種を区別する手がかりとなる形態的特徴を図示した同定マニュアルを作成した(図1)。観察するべき部位も図示したので,昆虫の形態に関する知識がなくてもこれら29種全てを同定することが可能である。
成果の活用面・留意点
  1. 現在日本各地で進められているマメハモグリバエに対する天敵を利用した防除法の開発にあたって,本図解検索を用いることにより,迅速に寄生蜂を同定することができる。この図解検索は農業環境技術研究所資料第22号に掲載された。
  2. この検索表には現在までにマメハモグリバエに寄生することが確認された寄生蜂の全てが含まれているが,新たな種がマメハモグリバエから採集される可能性があることに留意する必要がある。
図表1 225198-1.gif
図表2 225198-2.gif
カテゴリ 病害虫 ガーベラ 害虫 きく 施設栽培 セルリー トマト 農薬 防除 薬剤

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