タイトル |
寒天を使用した「サンドイッチ法」による植物の葉から出る他感物質の検定 |
担当機関 |
農業環境技術研究所 |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
植物の葉からリーチングする物質による他感作用を特異的に検定する手法として,葉を0.5%の寒天に包埋してその上に検定植物を播種する方法を開発し,「サンドイッチ法」と名付けた。本法を用いて他感作用の強い植物を検索し,有力植物を得た。
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背景・ねらい |
他感作用(アレロパシー)を実証するためには特異的な検定・証明法が必要である。すでに,根から滲出する物質による作用を検定する「プラントボックス法」を開発し,混植時の他感作用の検定に用いている(農業環境成果情報8)。一方,葉から浸出する物質による作用は,落葉マルチや被覆植物による雑草抑制,樹木下草への影響などに関与する。従来,葉から水や有機溶媒で抽出する方法が行われてきたが,このような方法では実際に作用していないものを検出する恐れがある。そこで,自然な状態で葉から浸出する物質による作用を検定する手法を開発する。この方法を用いて,広く日本および世界の植物の他感作用を比較検証し,強い作用を持つ植物の探索を行った。
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成果の内容・特徴 |
- 樹木の年間落葉量は,樹種によらずほぼ一定で,約0.6kg/m2/yearであることから,乾燥葉50mgを径35mmの6穴マルチディッシュに入れる(図1)
- この葉を10mlの寒天でサンドイッチ状態に固め,葉からリーチングしてくる物質を寒天に移行させる。物質の熱分解を防ぐため低温ゲル化寒天(ゲル化温度30~31℃)を用いる。
- 寒天濃度は0.5~0.75%が最適である。本法では,多くの検定植物を利用することができる。各検定植物での最適温度と期間は,例えばレタス,アカクローバ,ソルガムでは20℃3日,イネは25℃4日,キュウリは20℃4日である。
- 表1に5種の検定植物を用いた雑草類の検索結果を示す。主成分分析の結果,レタスを用いた検索によって作用の強い植物を大まかに抽出できることが分かった。
- 表2に日本および東南アジア由来の植物約400種類から本法を用いて検索した結果を示す。有力な植物はCoccinia ,レモングラス,デリス,グリシジア,ウパス,キンマ,Sandricum など薬用植物,有毒植物として知られるものが多い。
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成果の活用面・留意点 |
本法は他感作用植物の一次検索と生態系における活性評価に用いることができる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
乾燥
きゅうり
栽培技術
雑草
ソルガム
播種
レタス
レモングラス
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