タイトル |
土壌温度上昇が細菌群集の多様性に及ぼす影響 |
担当機関 |
農業環境技術研究所 |
研究期間 |
1996~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
地球温暖化モデル温室エコトロン土壌における細菌群集の多様性は,温暖化室で外気追室に比べて著しく減少した。原因としては,温暖化処理に伴う高温・乾燥条件に耐久生存する菌群の相対的優占化が考えられる。
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背景・ねらい |
エコトロンで起こる土壌細菌群集の変化様式を調べることにより,予測される地球温暖化環境下での耕地土壌細菌群集に及ぼす影響についての基礎的情報を提供する。
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成果の内容・特徴 |
- 実験は,気温とCO2濃度を制御した温室を用い,1991年から1995年までの5年間,毎年11~5月コムギ,6~11月イネを各1回を慣行法で栽培したコムギ作土土壌を用いて行った。外気追随室は気温を外気温追随,CO2濃度を350ppmで一定,温暖化室では気温を外気温プラス2℃,CO2濃度を650ppmで一定に保ち,通年密閉空調で運転した。実験土壌は地下5~10cmの非根圏から採取し,細菌の分離にはPTYGA培地を用いた。
- 外気追随室土壌と温暖化室土壌の細菌数と多様性を経年的に比較した結果,生菌数では両土壌に大きな差は認められなかったが,無作為に分離した細菌菌株の炭素源利用パターンの多様性に基づく多様性指数(平成6年度成果情報)では常に温暖化室が外気追随室を下回り,4年目には約2分の1まで減少した(図1)。
- 1993年にエコトロン外気追随室から採取した土壌を実験的に長期間(1~12カ月)温度処理し,土壌細菌群集の温度条件への反応性を調べた結果,35℃以上で細菌群集の多様性指数が明らかに減少した(図2)。
- 1995年に外気追随,温暖化室両土壌から分離された細菌の炭素源利用パターンと,3. における35℃長期間保存土壌を風乾した土壌から分離された細菌の炭素源利用パターンとを比較した結果,温暖化室土壌では外気追随室に比べて35℃長期保存・風乾条件下で耐久生存する菌群と共通の菌群の優占化が見られた(表1)。
- 以上の結果からエコトロン温暖化室では,高温・乾燥環境で耐久生存する細菌群の相対的優占化が多様性を低下させたと推定された。
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成果の活用面・留意点 |
- 土壌温度が上昇する環境下での耕地土壌の微生物多様性に関する基礎情報となる。
- 環境制御温室として農業環境技術研究所エコトロンを用いた。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
温度処理
環境制御
乾燥
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