タイトル |
ヤマセ予測指数(YPI)の創案 |
担当機関 |
農業環境技術研究所 |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
冷害予測を目的として,高層気象データを用い事前に日射量の減少・気温の低下を予測できる指数(YPI ;Yamase Predictive Index)を創案した。オホーツク海高気圧の消長を示す極東気圧の峰,梅雨前線の挙動を示す亜熱帯気圧の峰の双方を指標とし,約5日前にヤマセの到来を予測する可能性が示された。
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背景・ねらい |
冷害予測の観点から,水稲など農作物の生育と収量に重大な影響を及ぼすヤマセの前兆現象の把握が重要である。日射量(静止気象衛星GMSの可視画像データに基づいて求められる)や気温の動向と関連するパラメータを高層気象データから抽出して指数化した。
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成果の内容・特徴 |
- 北日本に来襲するヤマセ(図1)を事前に捉えるために,指標2地点の対流圏中層500hPa面高度の平年偏差(δH)を用いたヤマセ予測指数(YPI ; Yamase Predictive Index)を創案した。指標地は次の2地点である。
- 北方指標(N):60oN-140oE。オホーツク海高気圧の発達に寄与する極東気圧の峰(リッジ)の消長を示す。
- 南方指標(S):20oN-128oE。小笠原高気圧の日本付近への張り出し,および梅雨前線活動に作用する北太平洋亜熱帯気圧の峰の消長を示す。
毎日または半旬平均の①②両地点におけるδHよりYPIは, YPI=-δHN-(σN/σS )・δHS によって表される。ここで,σ:標準偏差,(σN/σS ):緯度差による変動度(図2)を補正する係数である。この式により,半旬前に東北地方の日射量減少を予測することが可能となった。つまり,YPIが大きな負の値(およそ-50以下)を示す場合,約5日後にヤマセが到来し,日射量の減少,気温の低下を招く傾向が認められる。YPIが-100を下回る場合は,要警戒である。
- 冷害年の1993年を含む1990~95年の盛夏季について検討した結果,YPIと次半旬の宮古・仙台における半旬平均日射量(ASR)との相関はr=0.51(危険率1%で有意な水準)であり,ASR=0.021YPI-16.001 という関係式が求められる(図3)。
- 1995年暖候季(6月~7月上旬に梅雨前線活発,7月中旬~8月に小笠原高気圧発達;冷夏・暑夏の両面をもつ天候推移)について検討した結果,YPIと次半旬の日射量偏差(δASR)との間にはr=0.53(危険率1%)で,δASR=0.029YPI-1.035 という関係が認められる(図4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 約5日前にヤマセをある程度予測できるようになったため,水稲などの冷害対策に有効な情報を提供できる。
- 週間高層予測図(気象庁など気象機関の提供による)を併用すれば,12日ほど前にヤマセの動向を把握することが可能となる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
ICT
亜熱帯
水稲
凍害
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