タイトル |
鉱さい含鉄資材が水田土壌の酸化還元電位に及ぼす影響 |
担当機関 |
農業環境技術研究所 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
EDTA で抽出される鉄含量が多い鉱さい含鉄資材は,水田土壌の酸化還元電位(Eh)を高く維持するのに有効である。一方,EDTAで抽出される鉄含量が少ない資材の添加は水田土壌のEhの低下を速める。
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背景・ねらい |
水田において,メタンが生成する土壌の酸化還元電位(Eh)は鉄還元の起きる土壌Ehよりも低いので,一般に土壌中の遊離酸化鉄含量が高いほどメタン生成は抑制される。鉱さい含鉄資材は,鉄およびケイ酸の給源として湿田や老朽化水田等にこれまで広く施用されてきたが,含有する遊離鉄の効果によって水田土壌のEhを高く維持し,メタン発生が抑制できる可能性がある。しかし含鉄資材の成分含量は製造履歴によってさまざまであり,土壌Ehの変化に与える影響も異なる。そこで含鉄資材の添加が水田土壌のEhに与える影響を,資材の成分含量との関係から解析した。
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成果の内容・特徴 |
- カルシウム含量,鉄含量の異なる鉱さい含鉄資材Ⅰ~Ⅴ(図1)を供試して,水田土壌を湛水培養した結果,土壌Ehの経時変化には2つのパターンがあることを認めた。
第1のパターンはEhが培養8日目までに急激に低下し,それ以後は対照区(資材無添加)と変らなかった(図2)。これに対し第2のパターンでは,培養8日目以降はEhが対照区より高く推移した(図3)。
- 試含鉄供資材の成分の特徴については,第1のパターンの資材(Ⅰ,Ⅴ)では50mM EDTA溶液抽出による溶出鉄が少なかったが,第2のパターンの資材(Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ)では,EDTA溶出鉄が多かった。また,EDTA抽出反応後のpHは酸可溶性カルシウムの多い資材で高い傾向があった(図4)。これに対しシュウ酸可溶性鉄の含量は,土壌Eh変化のパターンとは明確な関係がなかった(図1,2,3)。
以上の結果,EDTA溶出鉄含量の多い鉱さい含鉄資材は,水田土壌のEhを高く維持するのに有効であることが解明された。
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成果の活用面・留意点 |
EDTA溶出鉄含量の多い資材は,土壌Ehをメタンが生成する-200mv~-300mvよりも高く維持することが期待され,メタン発生の抑制に活用できる可能性があるが,本成果は培養試験によるものであり,資材の効果の持続性を圃場状態で検討する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
肥料
水田
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