タイトル |
高頻度観測センサと合成開口レーダを併用した牧草生育の時系列モニタリング |
担当機関 |
農業環境技術研究所 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
毎日の観測が行われているNOAA AVHRRからの1kmメッシュ時系列NDVIデータに,全天候型の合成開口レーダデータから得られる高解像度の土地被覆情報を併用することにより,草地NDVIの時系列的な変化を精度良く捉える手法を考案した。本アプローチを一番草生育モニタリングに適用した結果,高解像度光学センサの観測によるものと良く一致し,その有効性が示された。
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背景・ねらい |
高解像度の光学センサは観測頻度が低く,さらにデータ取得が天候に依存するため,通常の観測では牧草生育の時系列的な変化を捉えることが難しい。それに対し,NOAA AVHRRは毎日のデータを取得しているため,天候の影響を受けにくく,牧草生育の時系列的な変化を観測するのに適している。しかし,空間解像度が約1kmと粗く,草地以外の地目が影響するため,そのままのデータでは牧草生育のみの変化を捉えることが難しい。そこで,NOAA AVHRRからの正規化植生指数NDVIデータに全天候型の合成開口レーダから捉えられる高解像度の土地被覆情報を併用するアプローチにより,時系列的な牧草生育モニタリングを精度良く行う手法を考案,その有効性を検証した。
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成果の内容・特徴 |
- 1996年の5月29日から6月9日までの12日間について,NOAA AVHRRデータ23シーンを利用して4日毎の最大NDVIコンポジットデータを作成した。これらの時期は対象地域において一番草の生育が最も旺盛な時期に相当する。草地地帯を1㎞の空間解像度で観測すると,草地以外に森林や裸地(更新草地・畑作地)が1ピクセル内に混在する(図1)。
- 全天候型の合成開口レーダであるJERS-1 SARとERS-1 SARデータを利用することにより,草地地帯における森林,裸地,および草地の分布状況を高解像度で把握することができた(図2)。
- 上のコンポジットデータに合成開口レーダのデータから捉えることができる森林,裸地,草地の面積割合情報および90%以上を森林,裸地で占めるピクセルのNDVI値を併用し,簡単な線形モデルを通してAVHRRピクセル毎に草地NDVIを推定した(図3)。
推定した草地NDVIを同時期に観測された高解像度光学センサ(HRV:5/30,HRV:6/4, TM:6/7,HRV:6/10)からのものと比較した結果,両者は良く一致した(図4)。したがって,NOAA AVHRRと合成開口レーダデータを併用した手法が牧草生育の時系列モニタリングに有効であると考えられた。
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成果の活用面・留意点 |
- 高解像度光学センサデータに依存せずに,牧草生育の時系列的なモニタリングが可能である。
- 本研究事例は,大規模草地地帯を対象にした場合の結果であり,土地利用の複雑な地域での応用は今後の課題となる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
ブロッコリー
モニタリング
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