大腸菌およびマイコプラズマ感染鶏のニューカッスル病・伝染性気管支炎混合ワクチンの影響

タイトル 大腸菌およびマイコプラズマ感染鶏のニューカッスル病・伝染性気管支炎混合ワクチンの影響
研究期間 1993~1993
研究担当者 :中村菊保
谷村信彦
発行年度 1993
要約 大腸菌およびマイコプラズマに汚染した鶏にニューカッスル病・伝染性気管支炎混合ワクチンを接種すると,呼吸器において大腸菌が侵入,増殖し,呼吸器病変をつくり,一部は大腸菌性敗血症を誘発することを実験的に明らかにした。
背景・ねらい 鶏の大腸菌症は大腸菌(EC)のほかに数種の要因が相互に絡み合って発病する日
和見感染病である。EC自体の病気を起こす力は弱く,呼吸器内部に入っていくこ
とはできない。たとえ,ECが侵入しても,呼吸器上皮の粘液線毛運動によって異
物として排泄される。しかし,呼吸器上皮に障害が生じると粘液線毛運動が停止し
,ECが呼吸器内部に侵入,増殖する。そこで,Mycoplasma gallisepticum(MG
)感染を伴った場合のニューカッスル病・伝染性気管支炎混合生(NB)ワクチン
が,鶏の呼吸器でのEC感染に与える影響を検討した。
成果の内容・特徴
  1. SPF鶏を6群に分け,7日齢でNBワクチンとMGとEC(1群),NBワ
    クチンとEC(2群),MGとEC(3群),NBワクチン(4群),MG(5群
    ),EC(6群),それぞれを鼻腔内接種した。接種後1,2,5,8,12,
    15,21日に解剖し,病理学的および微生物学的に検索した。
  2. 1群がら6群までの呼吸器病変(気管,喉頭,肺,鼻,気嚢)を平均病変スコ
    アで示した
    (図1)。
    病変の程度は1群で最も重度でかつ長期間病変が見られた。
    さらに,2群,4群,3群,5群の順に軽度であった。なお,1群では,敗血症を
    示した大腸菌症により死亡する鶏も見られた。気管からの細菌検査では,ECの気
    管での増殖が病変程度に相関して認められた
    (図2)。
  3. 6群のEC単独接種群では,組織病変もEC増殖も認められなかった。
  4. 本研究はMG感染がある場合には,NBワクチンが鶏の大腸菌症を誘発する可
    能性をより高くすることを示唆する。
成果の活用面・留意点 大腸菌症の予防には飼育環境の清浄化とNBワクチン投与時のMG,EC対策
が重要である。
図表1 225540-1.gif
図表2 225540-2.gif
カテゴリ くこ くり

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