タイトル | 培養細胞系におけるオーエスキー病ウイルスの増殖制御 |
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研究期間 | 1992~1993 |
研究担当者 |
山田俊治 清水実嗣 |
発行年度 | 1993 |
要約 | オーエスキー病ウイルスの増殖に必要なウイルス早初期(IE)遺伝子を欠損させ,特定の細胞のみで増殖可能なウイルス欠損変異株を作出した。欠損変異株はウイルスの増殖機構を調べる上で有用で,新しいワクチンやウイルスベクターとしての応用が可能と考えられた。 |
背景・ねらい | オーエスキー病ウイルスは宿主の豚に感染し易いが,若令豚を除いて感染耐過す る。ところが,ウイルスは耐過豚の体から排除されることなく三叉神経節に潜む ようになる(潜伏感染)。潜伏感染豚にストレスなどが加わると潜んでいたウイ ルスは増殖力を回復して体外に排泄され,周囲の豚に感染する。しかし,なぜ, 神経細胞に潜伏感染するのか?何によって再活性化が起きるのか?は,末だ解明 されていない。 オーエスキー病ウイルスは細胞に感染すると細胞内因子により増殖のきっかけと なるスイッチ(ウイルス遺伝子)がON(発現)され、100種近いウイルス遺 伝子を次々と発現し増殖を行う(図1,1)。このスイッチに相当する遺伝子は 1種で,遺伝子と呼ばれる制御遺伝子である。この遺伝子を取り除いてしまえば 、ウイルスは細胞に感染するがまったく増殖しなくなると考えられる(図1,2 )。この状態が潜伏感染のモデルとして期待される。そこで,IE遺伝子を欠損 させると同時にスイッチをONする細胞内因子があると感染細胞が青くなるよう に別の遺伝子を挿入したオーエスキー病ウイルスを遺伝子操作により選抜し,そ の性状を調べた。 |
成果の内容・特徴 |
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成果の活用面・留意点 | AY64株は待定の細胞(IE遺伝子発現細胞)でしか増殖しないため,病原性 も欠落したと考えられる。つまり,安全なオーエスキー病の新型ワクチンとして 有望視される。さらに通常の培養細胞ではスイッチは常にONされるから,青く なる遺伝子の代わりに他の遺伝子を挿入すれば,非病原性ウイルスベクターとし ても有用である。遺伝子導入の困難な神経細胞にも有効と考えられる。 |
図表1 | |
図表2 | |
カテゴリ | しそ 豚 |