タイトル | Staphylococcus aureus 莢膜5型菌莢膜多糖体を用いた乳房炎簡易診断技術 |
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担当機関 | 島根家衛研 |
研究期間 | 1999~2005 |
研究担当者 |
大元隆夫 船木博史 |
発行年度 | 2005 |
要約 | 県内の乳用牛乳汁から分離されるS.aureus は莢膜血清5型が多く、5型菌の莢膜多 糖体を抗原として乳房炎乳の乳清中抗体を測定すると、S.aureus 以外の細菌が分離された乳清と 比べてELISA 抗体価が高く、ラテックス凝集反応も強い。 |
キーワード | ウシ、Staphylococcus aureus、乳房炎、莢膜多糖体、乳清、抗体測定 |
背景・ねらい | 黄色ブドウ球菌(S.aureus)は乳房炎の主要な原因菌であり、その病原因子として莢膜が重要視されている。莢膜は白血球の貪食作用に抵抗し、慢性感染することで乳房炎の病態を悪化させる。S.aureus莢膜血清型は11型が知られており、そのうち5型および8型が臨床分離株に多いとされている。また、生産現場における乳房炎防除を行う上での問題点として、乳汁細菌検査の結果を待たないと乳房炎原因菌の特定ができず、乳房炎罹患牛を発見した際に直ぐに原因菌特異的な治療ができないことがあげられる。 本課題では、島根県内において乳房炎罹患牛から分離したS.aureus莢膜血清型を調査するとともにS.aureus による乳房炎の簡易診断技術を検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 県内の酪農家27戸の乳汁由来S.aureus 69株の莢膜血清型は、5型が48株(69.6%)、8型が2株(2.9%)、型別不能が19株(27.5%)である。農場毎の莢膜血清型は、5型が21戸(77.8%)、8型が2戸(7.4%)、型別不能が4戸(14.8%)であり、5型が多く、農場毎に莢膜血清型が一定している(表1)。 2. S.aureus 莢膜5型菌由来莢膜多糖体(SPA5)に対するS.aureus 性乳房炎乳の乳清中のELISA抗体およびラテックス凝集抗体を検出した。S.aureus 5型が分離された乳清中には、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)、レンサ球菌、大腸菌分離および菌分離陰性の乳清に比べて高いELISA 抗体価あるいは強い凝集反応を認めた(表2)。 3. ラテックス凝集反応において、SPA5のポリスチレンラテックス粒子への感作を直接法とウサギ高度免疫血清を介した間接法との間で比較したところ、間接法の凝集像が明瞭である(図1)。 |
成果の活用面・留意点 | 本研究成果は乳房炎の新しい診断技術であり、従来の乳房炎診断法と併用することにより、乳房炎の迅速な診断が可能となる。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | 病害虫 簡易診断 診断技術 乳牛 防除 |