家畜の体型計測のための三次元形態計測装置

タイトル 家畜の体型計測のための三次元形態計測装置
担当機関 畜産試験場
研究期間 1991~1994
研究担当者
発行年度 1994
要約 家畜体型を三次元計測するためにアンケート調査に基づいて仕様を定め、空間コード化法の原理に基づく計測装置を開発した。装置は測定ヘッド(液晶プロジェクター+ビデオカメラ)及びコンピュータから構成され、家畜の体表座標、長さ、面積、体積を測定できる。測定ヘッドの最大視野は(1.5m)2、入力時間は1.1秒/ヘッドで8台まで接続でき、分解能は視野の0.4%である。
背景・ねらい 家畜の大きさや形などの特徴を示す体型は、その資質、発育及び栄養の判定基準として飼育、売買等の畜産の現場で広く用いられ、家畜審査の主要項目となっている。その反面、肉眼による体型判定結果は、判定者の知識、経験や主観に左右されやすく、数値化が難しいという特徴がある。このため、体型の数値化・客観化への期待は大きい。そこで家畜用三次元形態計測装置を開発した(図1)。
成果の内容・特徴
  1.  アンケート調査を実施して、家畜体型の三次元計測の必要性、応用範囲、必要精度を調べた。全国39都道府県の56機関、計80人から回答を得た。回答者の71%が三次元計測の必要性を認め、大中家畜の全身計測では5~10mm、それらの部分計測や家禽の全身計測では1mm程度の精度を有し、畜舎内程度の明るさで1~2秒または1/30秒以下で像が取り込める装置を要望する意見が多かった。
  2.  三次元形態計測装置にはレーザー走査法、空間コード化法及び光切断法に基づくものがある。各方式毎に代表的な1機種を選定し、メーカーの協力を得て、初生雛、新生豚及び牛の生皮をサンプルとして実測により性能を調査した。レーザー走査法及び空間コード化法では全サンプルの測定が可能であったが、光切断法で雛が測定できなかった。像取り込み時間は、頭尾長3mの牛の片側計測の場合、レーザー走査法で44秒、空間コード化法では2.2秒と試算された。
  3.  調査結果に基づいて仕様を定め、民間研究所の協力で、空間コード化法の原理に基づく、家畜用三次元形態計測装置を開発した(図1)。この装置は、人体用を大型化したもので、計測ヘッドは最大1.5m×1.5mの視野を持ち、畜舎内程度の明るさで測定が可能である。視野の0.4%(最大視野のとき6mm)の分解能精度を有する。計測ヘッド1台当たりの像取り込みに1.1秒を要し、測定対象の全周計測のために最大8台で順次入力した場合には合計12秒を要する。ワークステーション上で、複数の計測ヘッドから入力されたデータの合成、ノイズや不要部分の除去、欠落部分の補間等の編集と、ワイヤーフレーム表示、種々の長さ計測、表面積、断面積及び体積の算出ができる。
成果の活用面・留意点 この装置による計測データの応用分野としては家畜審査、発育の良否や肥満度の判定、畜舎施設の設計等が考えられる。非接触測定であるため、雛鶏から成牛まで、被毛や羽毛があっても幅広く測定できるが、動物を静止させる必要がある。測定ヘッドの配置は自由であるが、基準立方体による校正と死角のチェックが必要である。体表の漆黒部分は投影パターンが出にくいので白色塗料を塗布する必要がある。
図表1 225926-1.gif
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