タイトル |
ドリル式コアサンプラーによるバンカーサイロの簡易密度測定 |
担当機関 |
北海道農業試験場 |
研究期間 |
1996~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
ドリル式コアサンプラーによる大型バンカーサイロのサイレージ密度測定法を検討し,慣行法(注水法)で測定した密度と相対的に一致した値が得られ,サイレージの簡易な密度測定法として推奨できる。
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背景・ねらい |
サイレージの密度は変敗しやすさの指標として重要である。しかし、バンカーサイロの場合、密度を測定するには多大な労カがいることから、簡易な方法の開発が求められている。そこで、電動ハンドドリルを利用した簡易なサンプリング方法を開発し、その適用性を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 試作したドリル式コアサンプラーは直径7cm×長さ26.0cmの鉄製円筒で、先端の挿入部分に帯鋸刃を回転方向と逆向きに溶接している(写1)=刃の写真。本装置は市販の電動ハンドドリルに装着して、サイレージを穿孔しながら円筒内にサンプルを取り込む簡易な構造である(写2)=全体の写真。なお、サンプリング時の回転負荷を考慮すると、1kw程度のアングルドリルで、300rpm付近の回転数で使用すると良い。
- 試作した装置によるサンプリングは簡便であり、効率的に多点を測定することが可能である。一方、慣行の注水法では、縦30cm×横30cm×深さ25cmの穴を掘り、サイレージを取り出し重量を測定したあと、サンプルを採取した空洞の中ヘビニール袋を入れ、注水した重量から容積を求めた上で、両者から密度を算出するので、サンプリングに時間を要する欠点がある。
- 試作した装置で北海道における農家の大規模バンカーサイロ22基(十勝9,石狩5,天北8,)のサイレージをサンプリングして注水法による密度の測定結果と比較したところ、ドリル法では注水法の測定値よりも15%程度低い値を示すものの、1次式で回帰できることが明らかになり(図1)、本装置による簡易な密度測定が可能である。
- 試料採取の条件は、測定するサイレージの部位について5反復し、両端の数値は棄却して3点の平均値を用いる方が望ましい。
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成果の活用面・留意点 |
- 簡便なドリル法で迅速にサイレージ密度を測定できるので、変敗予防対策が容易になる。
- コアサンプラーの押し込み方で測定値が変動する可能性があり、円筒内に一定の低速で均一にサンプルを取り込むような操作が肝要である。特に低水分で密度が不均一なサイレージについては、測定点数を増やして最大値と最小値を棄却するなどの工夫を要する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
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